セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 肝内結節性病変が著しく増減したB型慢性肝炎の一例 |
演者 | 一木 康則(大分赤十字病院 肝胆膵内科) |
共同演者 | 高橋 健(大分赤十字病院 消化器内科), 杉 さおり(大分赤十字病院 消化器内科), 永松 秀康(大分赤十字病院 肝胆膵内科), 新関 修(大分赤十字病院 消化器内科), 石田 哲也(大分赤十字病院 消化器内科) |
抄録 | 症例は30歳代の女性。1996年にクローン病、およびHBe抗原陽性のB型慢性肝炎と診断された。2004年6月の当院初診時、肝実質のエコー所見は極めて粗造であった。B型慢性肝炎に対しては2005年3月よりラミブジンとアデホビルが投与されており、現在までALT正常、HBV DNAは感度以下にコントロールされている。2006年10月に妊娠(8週)が判明したが、患者の強い希望で核酸アナログおよび妊娠を継続していた。2006年12月に肝右葉に高エコー結節を1個認めた。2007年3月、高エコー結節は7個、同年4月に11個に増加。同年5月に23個に増加するとともにPIVKA-IIも57 mAU/mLまで上昇したため肝細胞癌の除外が急務と判断し、妊娠37週2日で帝王切開にて出産。CTHA/CTAP、狙撃生検などを行ったが肝細胞癌ではないと判断した。その後PIVKA-IIは正常化した。2007年12月までは肝内高エコー結節の数に変化はみられなかったが、2008年5月に5個、同年10月に2個と著しく減少。しかし2009年2月、肝内高エコー結節が無数に認められた。現在のところAFP、PIVKA-IIの上昇なくdynamic CTやGd-EOB-DTPA造影MRIでもHCCとして典型像を呈する結節はなく慎重に経過観察中である。なおクローン病の再燃に対し2008年10月よりインフリキシマブが投与されている。明らかな肝細胞癌とはいえない肝内結節性病変が妊娠や抗TNFα抗体投与に関連して増減するか文献的考察を試みているので報告する。 |
索引用語 | 肝腫瘤, B型慢性肝炎 |