セッション情報 | シンポジウム 「ESDの治療成績向上をめざして」 |
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タイトル | 内視鏡的切除(EMR、ESD)を行う際のDe Novo早期大腸癌の検討 |
演者 | 植田 直之(大分県立病院 外科) |
共同演者 | 池田 哲夫(大分県立病院 外科), 山下 築(大分県立病院 外科), 米村 祐輔(大分県立病院 外科), 椛島 章(大分県立病院 外科), 藤井 及三(大分県立病院 外科), 増野 浩二郎(大分県立病院 外科), 田代 英哉(大分県立病院 外科), 坂田 久信(大分県立病院 外科) |
抄録 | 技術的な進歩により早期大腸癌に対して内視鏡的に切除可能な症例が増加した。しかし、完全一括切除出来てもガイドラインにより追加切除が必要と判断される症例も少なからず存在し、実際に追加切除を施行したところ癌の遺残を認めなくてもリンパ節転移を認める症例を経験する。大腸癌の発癌形式としてはadenoma-carcinoma sequenceによるものとDe Novo癌が考えられているが、De Novo早期大腸癌の取り扱いに関しては一定の見解はない。当科にて2004年4月から2008年9月までに切除された結腸・直腸の腫瘍性病変932例(手術症例304例EMR・ESD628例)中、ガイドラインにより追加切除が必要と判断された早期大腸癌(sm2癌、またはsm1脈管侵襲陽性癌)は45例でうち5例(10%)にリンパ節転移を認めたが、3例はDe Novo癌、2例は肉眼的には進行癌であり、腺腫成分を認めた早期大腸癌ではリンパ節転移を認めなかった。また、上記45例中De Novo早期大腸癌は11例で、手術にてリンパ節転移の有無の確認が出来た9例のうち3例にリンパ節転移を認めた。以上の結果から、内視鏡的切除の治療成績向上を目指すためにはDe Novo早期大腸癌が疑われた場合は慎重に対処する必要があると考えられた。 |
索引用語 | De Novo早期大腸癌, 内視鏡治療 |