| セッション情報 | 一般演題 |
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| タイトル | 虚血性大腸炎を契機として発症したと考えられる急性壊死性食道炎の一例 |
| 演者 | 一瀬 理沙(九州大学大学院病態機能内科学) |
| 共同演者 | 冬野 雄太(九州大学大学院病態機能内科学), 矢田 親一朗(九州大学大学院病態機能内科学), 松本 主之(九州大学大学院病態機能内科学), 大隈 俊明(九州大学大学院病態機能内科学), 土井 康文(九州大学大学院病態機能内科学), 具嶋 正樹(同形態機能病理学), 飯田 三雄(九州大学大学院病態機能内科学) |
| 抄録 | 虚血性大腸炎を契機として発症したと考えられる急性壊死性食道炎の一例 一瀬理沙1)、冬野雄太1)、矢田親一朗1)、松本主之1)、大隈俊明1)、土井康文1)、具嶋正樹2)、飯田三雄1) 1)九州大学大学院病態機能内科学 2)同形態機能病理学 症例は74歳男性。40歳頃から糖尿病を指摘され、50歳頃から内服加療を行い当科通院中であった。平成20年11月に数日間便秘が続いた後、11月28日夜より腹痛を認め、翌29日(Day1)に吐血を認めたため来院した。来院時、代謝性アシドーシスであったが、ケトン体は認めなかった。緊急上部消化管内視鏡検査を施行し、門歯から28センチの中部食道より線状の黒色びらんが多発し、ECjunction付近は全周性にびらんの形成があり、急性壊死性食道炎と診断した。同日夕より大量の下痢と下血が出現し、腹部造影CTでS状結腸から横行結腸に壁肥厚を認め、虚血性大腸炎を疑い、絶食、TPN管理とした。12月2日(Day4)に下部消化管内視鏡検査で横行結腸から遠位S状結腸まで縦走潰瘍と白苔の付着した発赤浮腫状粘膜を認め、虚血性大腸炎と診断した。以後もTPNとインスリンによる血糖コントロールを継続し、徐々に内視鏡所見と全身状態の改善を認め、食道・大腸ともに狭窄症状の出現はなく、12月23日(Day25)に退院となった。本症例は糖尿病の基礎疾患があり、まず虚血性大腸炎を発症し、全身状態の悪化に伴い血糖コントロールの増悪を来たしたことも誘因となり、代謝性アシドーシスとなったことが急性壊死性食道炎の原因となったことが推察された。これまで急性壊死性食道炎に虚血性大腸炎を合併した症例の報告はなく、若干の文献的考察を加え報告する。 |
| 索引用語 | 急性壊死性食道炎, 虚血性大腸炎 |