| セッション情報 | 一般演題 |
|---|---|
| タイトル | ESDにて確定診断しえた胃inflammatory fibroid polypの1例 |
| 演者 | 坂 暁子(福岡大学 医学部 消化器内科) |
| 共同演者 | 冨岡 禎隆(福岡大学 医学部 消化器内科), 渡邉 隆(福岡大学 医学部 消化器内科), 廣瀬 統(福岡大学 医学部 消化器内科), 縄田 智子(福岡大学 医学部 消化器内科), 池田 憲治(福岡大学 医学部 消化器内科), 藤田 英治(福岡大学 医学部 消化器内科), 志賀 洋(福岡大学 医学部 消化器内科), 佛坂 学(福岡大学 医学部 消化器内科), 山口 真三志(福岡大学 医学部 消化器内科), 江口 浩一(福岡大学 医学部 消化器内科), 青柳 邦彦(福岡大学 医学部 消化器内科), 二村 聡(福岡大学 医学部 病理学講座), 向坂 彰太郎(福岡大学 医学部 消化器内科) |
| 抄録 | 症例は、60歳代の男性。胸焼けを主訴に当科受診。精査目的にて上部消化管内視鏡検査を施行した。幽門前庭部大弯に径15mm大の丈の低い粘膜下腫瘤を認め、頂部は陥凹し白苔の付着を伴っていた。当該部の生検組織では、粘膜固有層深部の一部に、好酸球を混在する紡錘形細胞の増生巣を認め、inflammatory fibroid polyp (IFP)が強く疑われた。超音波内視鏡検査では第二~三層に主座を有するhypoechoic massとして描出された。病変の確定診断のためには粘膜下層を含む標本が必要であると考え、ESDを選択した。一括切除された病変は、粘膜固有層深部から粘膜下層に主座をおき、小血管周囲性の紡錘形細胞の増生巣からなり、少数の好酸球、成熟リンパ球を介在していた。免疫組織化学染色では増生する紡錘形細胞はCD34に陽性、α平滑筋アクチンとデスミンに陰性であった。以上の検索結果からIFPと診断した。 IFPは胃、小腸に好発し、前者ではとくに幽門前庭部に多い。肉眼形態が特徴的であり、典型例では亜有茎または有茎性の粘膜下腫瘤形態を示し、頂部にびらんや潰瘍を伴いやすく、いわゆる陰茎亀頭様外観を呈する。しかし、本症例のように白苔が付着し陥凹を伴う丈の低い粘膜下腫瘤は比較的まれである。一般に生検による粘膜下腫瘤の質的診断は困難であるが、今回、通常の生検にてIFPを疑い、 ESDによる一括切除で確定診断しえた1例を経験したため報告する。 |
| 索引用語 | inflammatory fibroid polyp, ESD |