セッション情報 一般演題

タイトル

ブルンネル腺過形成巣の表層に発生した十二指腸腺腫の一例

演者 藤田 英治(福岡大学 医学部 消化器内科)
共同演者 山口 真三志(福岡大学 医学部 消化器内科), 江口 浩一(福岡大学 医学部 消化器内科), 冨岡 禎隆(福岡大学 医学部 消化器内科), 池田  憲治(福岡大学 医学部 消化器内科), 坂 暁子(福岡大学 医学部 消化器内科), 廣瀬 統(福岡大学 医学部 消化器内科), 志賀 洋(福岡大学 医学部 消化器内科), 渡邉 隆(福岡大学 医学部 消化器内科), 縄田  智子(福岡大学 医学部 消化器内科), 佛坂 学(福岡大学 医学部 消化器内科), 青柳 邦彦(福岡大学 医学部 消化器内科), 向坂 彰太郎(福岡大学 医学部 消化器内科), 二村 聡(福岡大学 医学部 病理学講座)
抄録 [症例] 40歳代 女性。2008年8月、卵巣腫瘍のスクリーニング目的にて上部消化管内視鏡施行。上十二指腸角に約10mmの亜有茎性のポリープを認めた。ポリープの表面は発赤調で小顆粒状を呈し、明らかなびらん、潰瘍は認めなかった。また腫瘍の立ち上がりは粘膜下腫瘍様形態を呈していた。生検病理組織では中等度の細胞異型を示す管状腺腫であった。立ち上がりが粘膜下腫瘍様であり隆起の構成成分が管状腺腫のみとは考えにくく、悪性腫瘍も完全には否定できないため、十分なインフォームドコンセントを行った上で内視鏡的粘膜切除術(EMR)を施行した。切除標本の病理組織学的検査は半球状ポリープで、頂部は中等度の細胞異型を示す管状腺腫で粘膜深部および筋板下の粘膜下層には免疫染色でMAC6陽性のブルンネル腺が増生していた。以上より、粘膜下腫瘍様の立ち上がりを呈した隆起の主体はブルンネル腺過形成によるものであり、表層部のみに腺腫が存在していた。同様のブルンネル腺過形成巣の表層に発生した十二指腸腺腫は、過去の本邦報告例では1例のみであり、本症例は極めて稀な症例と考えられ、ここに報告する。
索引用語 ブルンネル腺過形成, 十二指腸腺腫