セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 浸潤性増殖を示した肝Perivascular epithelioid cell tumorの1例 |
演者 | 大重 彰彦(鹿児島市立病院 消化器科) |
共同演者 | 堀 剛(鹿児島市立病院 消化器科), 桜井 一宏(鹿児島市立病院 消化器科), 中澤 潤一(鹿児島市立病院 消化器科), 吉永 英希(鹿児島市立病院 消化器科), 美園 俊明(鹿児島市立病院 消化器科), 久米村 秀(鹿児島市立病院 外科), 中村 登(鹿児島市立病院 外科), 濱田 信男(鹿児島市立病院 外科), 松木田 純香(鹿児島市立病院 臨床病理科), 末吉 和宣(鹿児島市立病院 臨床病理科), 井戸 章雄(鹿児島大学医学部 消化器・生活習慣病科), 坪内 博仁(鹿児島大学医学部 消化器・生活習慣病科) |
抄録 | 【症例】36歳、女性、自覚症状はなく、検診にて肝右葉に径6cmの内部不均一境界明瞭な低エコー性結節を指摘され、精査目的にて当院受診された。末梢血、生化学血液検査にて異常は認めず、HBs抗原, HCV抗体はともに陰性であり,腫瘍マーカーも正常域であった。CTでは動脈優位相にて淡く不均一に造影され、造影効果は門脈優位相まで遅延していた。MRIではT1WIでやや低信号、T2WIで高信号強度を示し、ソナゾイド造影超音波検査ではKupffer imageにて欠損像を示した。血管造影にて肝S6に強い腫瘍濃染像認め、CTHAでは内部が不均一に造影され、CTAPでは欠損像を呈した。以上の画像所見より肝癌の可能性も否定できず外科的切除を施行した。切除標本では、腫瘍は大部分暗赤色を呈していたが、一部に黄白色調の結節を有していた。病理組織にて暗赤色部は大部分が淡明細胞の形態を示す類上皮型細胞より成り、黄白色調の結節は充実性に増殖する類上皮型細胞で占められていた。免疫染色にて類上皮型細胞はHMB-45、Melan Aが陽性であり、類上皮型平滑筋細胞による腫瘍と診断した。腫瘍のほとんどはこれらの平滑筋細胞にて占められており、脂肪成分、血管成分はほとんど認めず、血管筋脂肪腫(Angiomyolipoma:AML)、筋腫型であり、Perivascular epithelioid cell由来の腫瘍(PEComa)と診断した。【考察】肝原発PEcomaを悪性potentialのある腫瘍として取り扱うかは症例の集積が必要であると考えられるが、本症例は腫瘍最大径が5cmを超え、病理組織標本では置換性増殖も呈しており、PEComaの悪性度を評価するうえでMalignatなgradeの要素も有していた。今後もPEComaの悪性度評価は慎重に行う必要があり、本症例は肝原発PEComaの悪性度を考察する上で貴重な症例と考え報告した。 |
索引用語 | PEComa, 悪性度 |