セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 胃癌術後の脾臓転移再発の1例 |
演者 | 重政 有(佐世保中央病院 外科) |
共同演者 | 清水 輝久(佐世保中央病院 外科), 泉野 浩生(佐世保中央病院 外科), 佐々木 伸文(佐世保中央病院 外科), 梶原 啓司(佐世保中央病院 外科), 碇 秀樹(佐世保中央病院 外科), 國崎 忠臣(佐世保中央病院 外科), 米満 伸久(佐世保中央病院 病理) |
抄録 | 今回、われわれは胃癌術後2年9ヶ月経過した後に発見された脾転移の1手術例を経験したので報告する。症例は73歳男性。貧血を主訴として精査し胃癌と診断され平成18年3月胃全摘術、胆嚢摘出術を施行した。胃体部から前庭部の小弯側に径8×6cm大の腫瘍を認め、H0 P0 CY0。病理所見は低分化腺癌2型T3(se) med pm(-) dm(-) INFβly1 v2 n1(右噴門部に1個リンパ節転移を認めた) stage3A であった。術後TS-1の内服投与(120 mg/日~80mg/日)を1年8ヶ月行った。平成20年1月からはUFTの内服を開始した。平成20年9月のCTで脾臓と左腎の間に径3×3cmの腫瘤性病変を認め、9ヶ月後には径5×3cmと増大傾向を認めた。内部は均一、辺縁整、境界明瞭な低吸収域で、造影効果は乏しかった。MRIではT1強調像でlow intensity、T2強調像でhigh intensityを呈していた。傍大動脈リンパ節の腫大や腹水は認めなかった。腫瘍マーカーはCEA 3.61ng/ml、CA19-9 23.7ng/mlといずれも正常範囲であった。以上から脾転移あるいは後腹膜腫瘍と考え手術を行った。脾下極に弾性硬な白色結節を認め、脾門部のリンパ節腫大を認めた。腹水はなかったが小腸間膜に一カ所5mm大の白色結節を認めた。病理組織学的所見では脾腫瘍、リンパ節、腹膜のいずれも胃低分化腺癌の転移に相当する所見であった。術後経過良好で第19病日に退院した。術後、化学療法としてTS-1 80mg/日+CDDP 90mg/日を行っている。胃癌の脾転移症例は一般に予後不良であるが手術と化学療法で1年以上生存可能な症例も散見され積極的治療を行っている。 |
索引用語 | 脾転移, 胃癌術後 |