セッション情報 | 要望演題11 「経鼻内視鏡の現状」 |
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タイトル | 医療従事者へのアンケート調査による経鼻内視鏡検査の現状と問題点について |
演者 | 荒木 譲(志免総合診療所 内科消化器科) |
共同演者 | 松坂 浩史(原三信病院 消化器科), 吉村 理江(ウエルネス天神クリニック), 久保川 賢(麻生飯塚病院 消化器科), 中村 和彦(九州大学 病態制御内科), 原田 直彦(九州医療センター 消化器科) |
抄録 | 【はじめに】経鼻内視鏡検査(以下、経鼻と略)は、患者アンケート調査やバイタルサインの検討により、高い患者受容性と検査安全性の点で経口内視鏡検査(以下、経口と略)に優っているものの、総合病院では十分普及しているとは言いがたい。その原因としては、従来より、経鼻挿入による合併症や極細径ゆえの画像や水切れの問題点が挙げられているが、医療現場からの意見をまとめた報告は殆ど無い。 【方法】九大第3内科消化器研究室および富士フィルム株式会社の協力を得て、経鼻経験のある医師57名(勤務医41名、人間ドック医師2名、開業医14名)および看護師37名に対するアンケート調査を行い、経鼻の現状と問題点についての検討を行った。 【検討項目】1)経鼻と経口のどちらの検査が好きか?2)自身が検査を受ける場合には?3)経鼻の前処置や検査時間は?4)経鼻の合併症は?5)経鼻の画像や水切れは?6)今後の経鼻に望む機能は?7)経鼻が十分普及していない理由は? 【結果】経鼻の合併症は検査医の熟練により、画像や水きれの問題は機器の進歩により改善傾向が見られた。勤務医では経鼻よりも経口を検査として好む反面、自身が受ける場合には経鼻を希望する医師が多かった。前処置や検査時間を長いと感じ、画像や水切れについての不満が経鼻を好まない一因であると考えられた。一方、開業医や人間ドック医師では、経鼻に対する不満は少なかった。看護師の意見は施設ごとの医師の意見を反映する傾向にあった。今後の経鼻に関しては、勤務医は処置や画像に優れたものを、開業医はより細いものを希望していた。 【結論】経鼻についての考え方が、勤務医と開業医さらに看護師では異なる傾向にあることが問題点として明らかになり、医療従事者の検査における精神的負担の軽減や、経鼻の適応と欠点を踏まえた適切な啓蒙活動を進める事が、今後の経鼻の普及に繋がると考えられた。 |
索引用語 | 経鼻内視鏡, アンケート調査 |