セッション情報 一般演題

タイトル

SSP/Aを併発した同時性重複SM癌の一例

演者 中根 智幸(久留米大学 内科学講座 消化器内科部門)
共同演者 長谷川 申(久留米大学 内科学講座 消化器内科部門), 鶴田 修(久留米大学 消化器病センター内視鏡診療部門), 河野 弘志(久留米大学 内科学講座 消化器内科部門), 長山 幸路(久留米大学 内科学講座 消化器内科部門), 有田 桂子(久留米大学 内科学講座 消化器内科部門), 桑木 光太郎(久留米大学 内科学講座 消化器内科部門), 光山 慶一(久留米大学 内科学講座 消化器内科部門), 佐田 通夫(久留米大学 内科学講座 消化器内科部門)
抄録 症例は80歳代女性。便潜血反応陽性を指摘され、大腸内視鏡検査を施行したところ横行結腸に陥凹を伴う平坦隆起性病変(A)を認めた。大きさは約15mm、ひだの引き連れを伴うIIa+IIc病変であった。病変の立ち上がりは非腫瘍粘膜からなり、陥凹部のNBI観察による微細血管粘膜模様診断ではCP type-IIIB、ピオクタニン染色によるpit pattern診断では高度不整VI(輪郭不明瞭VI)型を呈していた。以上よりIIa+IIc、深達度cSM massiveと診断した。さらにその肛門側にもIs+IIa+IIc病変(B)、Is病変(C)を認めた。いずれも粘液が豊富な病変であり、病変Bは壁伸展不良を呈し、cSM massiveと診断した。以上より横行結腸切除にて3病変を摘出した。その結果、病変AはpSM-massive癌、病変BもpSM-massive癌であり、いずれもSSP/Aを伴っていた。病変CはSSP/Aであった。近年SSP/Aは病理学的に鋸歯状腺管構造をもち、腫瘍/非腫瘍の区別がついておらず、病理学会でも議論されている病変である。またMSI陽性右側結腸癌の前癌病変としても注目されている病変である。本症例はSSP/Aが併発した同時性重複癌であり、貴重な症例として報告する。
索引用語 SM癌, SSP/A