セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
高度な十二指腸壁肥厚を伴ったアナフィラクトイド紫斑病の1例
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演者 |
山口 加奈子(佐賀県立病院 好生館) |
共同演者 |
緒方 伸一(佐賀県立病院 好生館), 宮原 貢一(佐賀県立病院 好生館) |
抄録 |
症例は23歳の男性。上腹部痛、吐気にて近医受診し、上部消化管内視鏡検査にて十二指腸潰瘍と診断された。プロトンポンプ阻害薬(PPI)の処方を受けるも症状改善なく、食事摂取不能となり当院初診。上腹部の筋性防御、白血球15400/μl、C反応性蛋白5.63 mg/dlと炎症反応の上昇あり、十二指腸潰瘍の穿孔が疑われた。腹部CTでは十二指腸水平脚の著明な壁肥厚を認めた。Free airは認めなかったものの十二指腸潰瘍穿孔の可能性も否定できなかったため、経過観察目的に内科入院した。絶食・輸液・PPI投与を行うも症状改善せず、入院第2病日に当院として初回の内視鏡検査施行。十二指腸Vater乳頭付近から観察可能な十二指腸水平脚にかけて全周性の潰瘍形成を認め、アナフィラクトイド紫斑病を疑い皮膚を診察すると両下肢に紫斑が出現していること観察された。皮膚生検で真皮浅層の毛細血管周囲には好中球の核破壊物の浸潤が見られ、アナフィラクトイド紫斑病の確定診断に至った。水溶性プレドニン0.5mg/Kg で加療開始するも効果が一時的であったため、1gm/Kgに増量。それでも改善なくステロイドパルス療法を施行したところ、皮疹・腹部症状とも軽快し、潰瘍も急速に改善していった。腹部所見のみにとらわれず、全身の観察が重要であると考えられた症例を経験したので報告する。 |
索引用語 |
腹痛, アナフィラクトイド紫斑病 |