セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
カプセル内視鏡にて出血源を推定しダブルバルーン内視鏡にて診断・治療を行った小腸Angiodysplasiaの一例
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演者 |
村山 貴信(宮崎医療センター病院 消化器・肝臓病センター) |
共同演者 |
児玉 眞由美(宮崎医療センター病院 消化器・肝臓病センター), 坂元 秀壮(宮崎医療センター病院 消化器・肝臓病センター), 岩満 章浩(宮崎医療センター病院 消化器・肝臓病センター), 坪内 博仁(鹿児島大学大学院消化器疾患・生活習慣病学) |
抄録 |
【はじめに】当センターでは2004年9月からダブルバルーン内視鏡(以下DBE)を導入し、小腸疾患の診断から内視鏡治療まで一環して行える体制をとってきた。しかし、DBEの検査侵襲は低いとはいえず施行困難例も存在する。そこで、2008年12月からはカプセル内視鏡(以下VCE)を導入し、小腸出血を疑う症例ではより患者侵襲の少ない検査法を選択することも可能となった。今回我々は、VCEにて小腸出血の出血部位を推定し、DBEにて診断および内視鏡治療を行った症例を経験したので報告する。【症例】78歳、女性。労作時息切れと全身倦怠感あり、黒色便も認めたため近医を受診した。同院にて上部消化管内視鏡、大腸内視鏡、腹部CT,消化管出血シンチを行われたが出血源は不明であり、小腸精査目的で当院へ紹介入院した。腹部手術歴のあるPSの低下した高齢者の黒色便であり、経口的DBEは高侵襲と考えられVCEを選択した。VCEで病変の確認は出来なかったが、十二指腸水平部あるいはトライツ靭帯付近の上部空腸に活動性出血を認めた。VCEにて出血部位の推定ができたため、経口的DBEによる到達が容易であると判断し、翌日、経口的DBEを施行した。DBEでは十二指腸水平部のAngiodysplasiaからの出血と診断し、APCによる止血術を行なった。合併症なく終了し、退院後現在まで下血は認めていない。【結果・考察】 VCEの導入によって小腸出血を疑う症例では、検査法選択の幅が広がった。VCEにて出血源を推定することにより、これまでDBEを躊躇していたような症例でもDBEによる検査・治療が可能な症例も出てくると思われた。 |
索引用語 |
小腸出血, カプセル内視鏡 |