セッション情報 |
要望演題6 「画像診断の進歩と肝癌治療の新たな展開」
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タイトル |
生体肝移植における肝細胞癌術前画像診断の正確度評価に関する検討
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演者 |
内山 秀昭(九州大学 消化器・総合外科) |
共同演者 |
副島 雄二(九州大学 消化器・総合外科), 調 憲(九州大学 消化器・総合外科), 武冨 紹信(九州大学 消化器・総合外科), 二宮 瑞樹(九州大学 消化器・総合外科), 萱島 寛人(九州大学 消化器・総合外科), 前原 喜彦(九州大学 消化器・総合外科) |
抄録 |
【背景・目的】肝細胞癌に対する肝移植において腫瘍数と腫瘍径は重要な予後因子であるため、術前に癌の進行度を正確に評価することは非常に重要である。今回、肝細胞癌に対する生体肝移植において術前の画像診断と摘出肝の病理診断を比較し、術前画像診断の正確性を検討した。【対象】当院にて1999年から2008年までに施行した肝細胞癌に対する生体肝移植のうち、前治療の修飾が軽度であり、腫瘍数10個以下で画像と病理の対比が可能であった81症例、181結節を対象とした。行われた検査は造影CTが81/81例(100%)、造影MRIが53/81例(65%)、血管造影CTが40/81例(49%)であった。【結果】[1]術前画像診断にてミラノ基準内と診断された46例中摘出肝の病理検査でミラノ基準内であったものは30例であった。ミラノ基準内と診断する術前画像診断の感度は0.65、特異度は0.80であった。各検査別のミラノ基準診断感度は造影CT:0.39、造影MRI:0.45、血管造影CT:0.29であった。術前に明らかに脈管浸潤があると診断されたものはなかったが、摘出肝の病理では29例(35.8%)に脈管浸潤がみられた。[2]肝細胞癌個数の検討では、各検査による診断率は造影CT:73%、造影MRI:67%、血管造影CT:81%であり有意な差を認めなかった。腫瘍径2.1cm以上では80%以上の診断率であったが、1cm以下では29-55%と診断率が低下した。[3]分化度別の比較では中低分化肝細胞癌は76-90%の診断率であったが高分化肝細胞癌は31-40%と診断率が低下した。【まとめ】各種画像検査を組み合わせることで一定の正確な肝細胞癌術前診断を行うことができると考えられた。 |
索引用語 |
生体肝移植, 肝細胞癌 |