セッション情報 要望演題5 「肝疾患に対する最新の治療 -基礎から臨床まで-」

タイトル

B型慢性肝炎の急性増悪時における抗ウイルス薬の選択について

演者 大橋 朋子(独立行政法人国立病院機構 九州医療センター 消化器科)
共同演者 古賀 荒太郎(独立行政法人国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 内田 匡彦(独立行政法人国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 岩佐 勉(独立行政法人国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 杉 満紀子(独立行政法人国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 水谷 孝弘(独立行政法人国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 武元 良祐(独立行政法人国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 吉本 剛志(独立行政法人国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 宮原 稔彦(独立行政法人国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 福泉 公仁隆(独立行政法人国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 原田 直彦(独立行政法人国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 中牟田 誠(独立行政法人国立病院機構 九州医療センター 消化器科)
抄録 【目的】 現在、慢性B型肝炎に対しては、ラミブジンまたはエンテカビルの投与が可能である。耐性株の出現を考慮するとエンテカビルが第一選択と考えられ、B型慢性肝炎の急性増悪に対してもエンテカビルの登場以降は、ラミブジンに変わりエンテカビルを使用して来た。しかしながら、ラミブジンを使用していた頃に比べて、肝機能の改善、ウイルス減少などが遅延する印象を持っており検討をおこなった。【症例・結果】 ラミブジンならびにエンテカビルを急性増悪時に使用した症例を各々呈示して比較を検討するとともに、急性増悪時にはラミブジンを使用し、トランスの改善とウイルス量が減少した時点でエンテカビルへ変更した症例を呈示する。B型肝炎急性増悪例においてHBV-DNA 6Log以上、ALT 200以上の症例(ラミブジン 5例、エンテカビル 6例)について1日あたりのウイルスの減少率と比較(治療前ウイルス量-治療後ウイルス量〔28~42日後〕/日数)したところウイルス減少はラミブジンが0.098+/-0.025log/day、エンテカビルが0.061+/-0.024log/dayとラミブジンが有意に(P=0.012)減少率が高かった。【考察】 劇症化が懸念される急性増悪時においては、ステロイドの併用が行われるが、その際にはより強い抗ウイルス増殖抑制が必要であり、抗ウイルス剤の選択は重要であると思われた。
索引用語 B型慢性肝炎, 急性増悪