セッション情報 パネルディスカッション11(肝臓学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会・消化器外科学会合同)

門脈圧亢進症-新たな画像診断法と治療

タイトル 肝PD11-11:

門脈圧亢進症治療におけるCT during portgraphyの有用性に対する検討

演者 橋本 義政(尾道総合病院・消化器内科)
共同演者 天野 始(尾道総合病院・消化器内科), 日野 文明(尾道総合病院・消化器内科)
抄録 門脈圧亢進症に伴う食道胃静脈瘤、異所性静脈瘤、門脈大循環シャントに対するIVR(interventinal radiology)治療の有用性についての報告が近年多く見られるが、血行動態は疾患により多岐にわたりDSA(digital subtraction angiography)のみでは治療に難渋する場合も少なくない。当院では2011年5月よりIVR-CTが導入されCT-P (CT during portgraphy)を行う事が可能となったので有効性について報告する。20例に対してCT-Pが施行され、疾患の内訳は食道静脈瘤7例、胃静脈瘤6例、門脈大循環シャント5例、異所性静脈瘤2例である。治療内容はPTO(Percutaneous transhepatic obliteration)9例、BRTO(Ballon occluded retrograde obliteration)4例、PTO-BRTO併用6例、門脈分流術1例である。Retrospectiveに評価しGroup1:DSA単独で治療が可能と思われる症例、Group2:CT-Pが治療に有用であったと思われる症例に分けて評価をした。Group1は14例、Group2は6例であった。6例におけるCT-Pの有用性は、DSA単独では評価困難と思われる責任血管をCT-Pを用いる事で明瞭に同定できる点であった。食道静脈瘤においては食道静脈瘤と傍食道静脈それぞれへの供血路を明瞭に判別でき選択的治療が可能であった。胃静脈瘤、門脈大循環シャントにおいてはBRTO単独では治療困難な症例においてPTOルートからのCT-Pを施行する事で供血路、排血路の評価が可能となり、その血行動態を元にPTOもしくはS-B tube(Sengstaken-Blakemore tube)の併用を行い治療完遂が可能であった。異所性静脈瘤においてはDSA単独では同定困難であった静脈瘤をCT-Pを用いる事で同定、治療が可能であった。以上の事からCT-Pは門脈圧亢進症性疾患の診断、治療の確実性を向上させると考えられ、有用性について文献的考察を交え報告する。
索引用語 CT during portgraphy, 門脈圧亢進症