セッション情報 一般演題

タイトル O-088:

急性膵炎を発症し診断された十二指腸乳頭部癌の1例

演者 濱本 英剛(仙台厚生病院 消化器センター 消化器内科)
共同演者 石橋 潤一(仙台厚生病院 消化器センター 消化器内科), 奥薗 徹(仙台厚生病院 消化器センター 消化器内科), 宮下 祐介(仙台厚生病院 消化器センター 消化器内科), 水野 浩志(仙台厚生病院 消化器センター 消化器内科), 李 仁(仙台厚生病院 消化器センター 消化器内科), 高橋 佳之(仙台厚生病院 消化器センター 消化器内科), 羽根田 晃(仙台厚生病院 消化器センター 消化器内科), 高林 広明(仙台厚生病院 消化器センター 消化器内科), 三宅 直人(仙台厚生病院 消化器センター 消化器内科), 三島 利之(仙台厚生病院 消化器センター 消化器内科), 松田 知己(仙台厚生病院 消化器センター 消化器内科), 中堀 昌人(仙台厚生病院 消化器センター 消化器内科), 望月 福治(仙台厚生病院 健康管理センター), 石山 秀一(仙台厚生病院 消化器センター 消化器外科), 岩間 憲行(仙台厚生病院 病理診断・臨床検査科), 長南 明道(仙台厚生病院 消化器センター 消化器内科)
抄録 症例は87歳,女性.平成21年3月に上腹部痛,嘔吐にて前医受診し,採血で炎症反応の上昇を来たしており,腹部エコーにて胆嚢腫大,総胆管拡張と,膵頭部の腫瘤影を認め紹介となった.腹部CTで膵の腫大と周囲脂肪織の濃度上昇,上腸間膜動脈・腹腔動脈周囲まで及ぶfluid collectionを認めた.また下部胆管は腫瘤性病変で閉塞し,総胆管拡張,胆嚢腫大,主膵管の拡張を認めていた.採血結果と合わせ軽症急性膵炎と診断し絶食,H2 blocker投与,スルバクタム/セフォペラゾン,メシル酸ガベキセート,ウリナスタチンの投与を開始した.その後炎症反応の上昇が持続し,黄疸の増悪を認めたため内視鏡的逆行性膵管胆管造影(ERCP)を行った.十二指腸乳頭部は発赤調の結節状隆起を認め,辺縁に白色顆粒状隆起を伴っていた.腫瘤は柔らかく,胆汁の流出も認められていた.胆管造影では胆管の拡張は著明で,胆管末端に乳頭状に突出する腫瘤を認めており,管腔内超音波検査にても乳頭状の隆起を指摘できた.腫瘤からの生検でadenocarcinoma(tub)であり露出腫瘤型のVater乳頭部癌と診断した.tube stentを留置し,経過観察とした後,外科にて亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(SSPPDIIA)を施行とした.病理組織結果はCarcinoma of papilla of Vater, pat Acdpb,露出腫瘤型,s0,pPanc1b,pDu2,pN0,pEM0,tub2>>tub1,pap ,int,INFβ,ly0,v1(el)β,pn0,stageIIIであった.術後40病日に退院.化学療法については希望なく,これまでのところは著変なく経過している.十二指腸乳頭部癌の初発症状が急性膵炎であることは比較的まれとされており,本会では若干の文献的考察を加え報告する.
索引用語 十二指腸乳頭部癌, 急性膵炎