セッション情報 |
パネルディスカッション13(肝臓学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
チーム医療で提供する最善の肝臓病診療
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タイトル |
肝PD13-2指:一般病院におけるチーム医療による肝臓病診療-表出する問題点に対する取り組み
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演者 |
津端 俊介(新潟県立中央病院・内科) |
共同演者 |
亀井 広美(新潟県立中央病院・看護部), 平野 正明(新潟県立中央病院・内科) |
抄録 |
【背景】C型慢性肝炎はその経過が長く、患者ごとに病態や悩み・不安は多彩である。一方で、訴えの傾聴や正しい情報提供の舞台となるべき外来診療では、医療者と患者との対話が不十分になりがちである。当院では、特にIFN診療における両者の対話不足を補うために医師と看護師が連携して外来診療にあたるようになり、さらに看護師の呼びかけで複数の職種による勉強会が発足したことをこれまでに報告してきた。勉強会では現在、肝臓病教室を軸に様々な患者支援や院内学習会を展開している。【方法】これまでに行ってきた活動や肝臓病教室について、職種別にアンケートを行った。【結果】1. 薬剤部は日頃患者に接することが少ないため、患者に直接情報を提供しまた訴えを聴くことができる貴重な場として肝臓病教室を肯定的にとらえていた。ただし、日常業務では様々な疾患を対象としているため、逆に肝疾患に携わる機会が少なく、肝臓病教室の準備で培った知識を発揮しきれないという問題点を挙げた。2. 外来看護師は、多くの職種が勉強会に参加したことで生まれた新たな連携をきっかけに、知識を深める機会が増えたことを評価した。一方で、近年の外来業務効率化の動きの中で、話しかけや観察といった患者ケアをいかに維持するかということを課題に挙げた。他の職種からもさまざまな意見が集まった。【考察】各職種から共通でみられたのは、勉強や研究に対する意識が高くなったものの、業務上の制約からその思いを実現できないというジレンマだった。これらのジレンマを解消するために、当院では次の試みを行った。1. 業務体系に逆らうことなく、発想の転換から新たな患者支援を見出す。2. 患者側からみた肝臓病教室の価値を再評価することで、新たな情報提供を行う。【結論】院内勉強会が立ち上がって3年が経過し、いくつかの課題が顕性化してきた。それらへの対策としての活動につき報告する。 |
索引用語 |
チーム医療, 慢性肝疾患 |