セッション情報 | 01.シンポジウム1 「小腸内視鏡の現況と限界」 |
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タイトル | S1-4:上腸間膜動脈症候群の診断におけるカプセル内視鏡の有用性 |
演者 | 瀬戸山 仁(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学) |
共同演者 | 嵜山 敏男(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 船川 慶太(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 山路 尚久(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 上村 修司(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 佐々木 文郷(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 岩下 祐司(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 指宿 和成(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 隈元 亮(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 有馬 志穂(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 前田 拓郎(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 牧野 智礼(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 小牧 祐雅(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 井戸 章雄(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 坪内 博仁(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学) |
抄録 | 【背景・目的】上腸間膜動脈症候群(superior mesenteric artery syndrome、以下SMAS)は十二指腸水平部が前方の上腸間膜動脈と後方の大動脈や脊椎との間で圧迫され、急性もしくは慢性の通過障害を引き起こす疾患である。十二指腸通過障害に伴う上腹部痛、嘔気・嘔吐、腹部膨満感などの上部消化管閉塞症状を認め、るい痩、栄養状態不良になり、過度の食欲不振から拒食症になることもある。このため神経性食思不振症との鑑別が困難で診断に苦慮することも多い。診断は通常、腹部X線検査、上部消化管造影検査、腹部超音波検査、腹部造影CT・MRIの所見を総合して行われるが、我々はカプセル内視鏡により診断し得たSMASの症例を経験した。そこでSMASの診断におけるカプセル内視鏡の有用性について検討を行った。【方法】当科でSMASと診断された3例(すべて女性、平均年齢46.3歳)にカプセル内視鏡(GIVEN社PillCam SB)を施行し、病歴、BMI、カプセル内視鏡所見の検討を行った。【結果】3例の主訴はいずれもである腹痛や嘔気等であり、1例は神経性食思不振症として加療されていた。またBMIは平均14.5±1.4と低値であった。カプセル内視鏡所見では3例全てにおいて十二指腸水平部でのカプセル滞留を認め、上部消化管造影検査でみられるような振り子様蠕動運動や十二指腸壁外からの圧排所見を認めた。また、乳頭部の頻回の出現、カプセルの口側腸管への反転、後ろ向き進行が認められ、SMASに特徴的なカプセル内視鏡所見と考えられた。【結論】SMAS3例にカプセル内視鏡を施行し、本症に特徴的な所見が認められた。カプセル内視鏡はSMASの簡便な診断法として有用であると考えられた。 |
索引用語 | 上腸間膜動脈症候群, カプセル内視鏡 |