セッション情報 パネルディスカッション13(肝臓学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)

チーム医療で提供する最善の肝臓病診療

タイトル 肝PD13-8:

C型肝炎に対する三剤併用療法におけるチーム医療の取り組み

演者 中島 知明(札幌厚生病院・3消化器科(肝臓科))
共同演者 千田 ルミ子(札幌厚生病院・看護部), 狩野 吉康(札幌厚生病院・3消化器科(肝臓科))
抄録 【目的】C型慢性肝炎に対するプロテアーゼ阻害剤(テラプレビル)を含む三剤併用療法は、強力な抗ウイルス作用を有する一方、貧血、皮疹などの重篤な副作用の出現が問題となる。三剤併用療法の有効性を最大限に発揮すべく、チームとして行った活動を報告する。【方法】以下の4つを活動の柱とした。(1)かかりつけ医に対する三剤併用療法の適応、有効性、副作用の情報提供。(2).C型肝炎患者への三剤併用療法の情報提供。(3)三剤併用療法を無駄なく安全に遂行するためのクリニカルパスの作成。(4)院内関係部署との情報の共有。(1)に関しては従来から構築していた肝炎の病診連携のネットワークを利用して、当科オリジナルの三剤併用療法、IL28B遺伝子型と治療効果等の最新の情報を網羅したパンフレット「C型肝炎インターフェロン治療の手引き」を配布し、当院の肝臓専門医と皮膚科専門医による三剤併用療法の講演会を行った。(2)に関しては、治療に対する理解とモチベーションを高めるため、パンフレットの配布および肝臓教室において三剤併用療法の適応、効果、副作用に関する講演を実施した。(3)に関しては昨年夏から医師、外来看護師、病棟看護師、医事科職員からなるチームで「三剤併用療法のクリニカルパス」作成に着手。皮膚科医、眼科医との連携を組み込み、入院診療・外来診療を一体化させたクリニカルパスの原案を完成させた。(4)に関しては、完成したクリニカルパスの原案をもとに、医師、看護師、薬剤師、栄養士、医事科職員を含めた会議にて原案の説明および妥当性を検討し、院内での情報共有を図った。3ヵ月を経過した時点で40例の患者に三剤併用療法を導入し、患者からの聞き取り情報、臨床データを基にして医師、外来看護師、病棟看護師でクリニカルパスの見直しを行っている。今後もタイムリーな見直しが必要と考える。【結語】C型肝炎に対する三剤併用療法においては、チーム医療で早期に副作用に適切に対応し、良好な薬剤のアドヒアランスを保つ必要がある。
索引用語 三剤併用療法, クリニカルパス