セッション情報 パネルディスカッション13(肝臓学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)

チーム医療で提供する最善の肝臓病診療

タイトル 肝PD13-10:

肝臓病教室や肝炎ウイルス検診啓蒙活動におけるチーム医療の取り組み

演者 日高 勲(山口大附属病院・肝疾患センター)
共同演者 寺井 崇二(山口大附属病院・肝疾患センター), 坂井田 功(山口大附属病院・肝疾患センター)
抄録 【目的】肝炎総合対策として肝疾患診療ネットワークの構築や治療費助成、肝炎ウイルス無料検診などが行われている。また肝臓病教室や市民公開講座などの重要性も認知されている。これらの取り組みにおけるチーム医療の重要性は認識されているが、チーム医療がどのような恩恵を与えているかははっきりとしていない。当院では肝炎診療だけでなく、肝臓病教室や肝炎ウイルス検診の啓蒙活動にもチーム医療で取り組んでおり、効果について検証する。【方法】当院は2009年2月に肝疾患診療拠点病院に指定されたが、2010年7月に拠点病院事業に関わることを目的に、消化器内科病棟看護師による肝疾患ワーキンググループ(肝WG)が発足した。現在、肝WGを中心にコメディカルスタッフと協力し、「肝臓病教室」や「肝炎ウイルス検診の啓蒙活動」を展開している。活動を紹介するとともに、チーム医療導入前後での変化を検証する。【成績】(1)肝臓病教室:当院では1998年から肝臓病教室を開催しているが、2010年から肝WGが運営への協力を開始した。2011年からは医師だけでなく、肝WGの看護師や他の職種によるチームでの教室を開始した。チーム開催により、内容の充実がはかれた。また、多くのスタッフがやりがいを実感していた。さらに参加患者数も2009年度までは5名程度であったのに対し、2010年度は平均11.8名、2011年度は平均7.8名と増加した。(2)肝炎ウイルス検診啓蒙活動:2010年に肝WGは、検診を紹介するチラシを作成し、市内で配布した。さらに2011年には啓蒙パンフレットを作成、県主催のイベントなどで配布した。県下に活動を展開したことにより配布数は大幅に増加した。検診受診率の増減については今後検討していく。また、専門医療機関でのチーム医療促進を目指し、拠点病院での“肝疾患診療コーデイネ-ター”の認定も検討中である。【結論】チーム医療による「肝臓病教室」や「啓蒙活動」はスタッフのスキルの向上につながるだけでなく、教室への参加患者の増加、住民啓蒙活動の充実につながる。
索引用語 チーム医療, 肝臓病教室