セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研45:

GCAP療法を導入したインフリキシマブ抵抗性クローン病の2症例

演者 小池 玄文(長崎大学病院消化器内科)
共同演者 石居 公之(長崎大学病院消化器内科), 法村 大輔(長崎大学病院消化器内科), 赤澤 祐子(長崎大学病院消化器内科), 山口 直之(長崎大学病院消化器内科), 大仁田 賢(長崎大学病院消化器内科), 磯本 一(長崎大学病院消化器内科), 竹島 史直(長崎大学病院消化器内科), 中尾 一彦(長崎大学病院消化器内科)
抄録 【はじめに】インフリキシマブの治療への導入によりクローン病治療は飛躍的に進歩したが、一方、継続投与の結果、効果が減弱あるいは消失する症例や、infusion reactionや遅発性過敏症により投与を断念するような症例のようにインフリキシマブ抵抗性のクローン病も数多く経験されるようになってきた。 今回我々は、顆粒球除去療法(GCAP)が治療に有用であったインフリキシマブ抵抗性クローン病の2症例を経験したので報告する。【症例1】28歳男性。22歳発症、大腸型クローン病であり2003年クローン病を発症し以後再燃・寛解を繰り返している。主訴は下痢・左下腹部痛。2009年5月初旬頃より下痢・左下腹部痛を認め、2009年6月29日クローン病増悪に対する精査加療目的にて入院となる。インフリキシマブ導入後血液検査上CRPの低下を認めたが、下腹部痛・下痢など症状の改善は認めなかったため、GCAP療法を開始した。GCAP療法開始後、症状の改善を認め、GCAP10回施行後CDAI値は開始前297より終了後135となり臨床的寛解を得た。【症例2】29歳女性。22歳発症、小腸大腸型クローン病であり2002年クローン病を発症し以後当院外来・入院にて加療を継続している。主訴は腹痛・発熱。2009年10月14日夜間に腹痛・発熱を認め当院救急外来受診。血液検査・身体所見・腹部CTより急性膵炎と診断。同日急性膵炎精査加療目的にて当院入院となる。クローン病に関してはGCAP療法開始後、症状の改善を認め、GCAP施行後CDAI値は開始前231より終了後151まで改善を認めた。【おわりに】GCAP療法はインフリキシマブ抵抗性クローン病治療の選択肢の1つとして考慮すべき治療と考えられた。
索引用語 クローン病, GCAP