セッション情報 一般演題

タイトル 122:

再発難治C型肝炎に対するフェロン前投与の効果

演者 石井 邦英(朝倉医師会病院 消化器内科)
共同演者 末次 理成(朝倉医師会病院 消化器内科), 城野 智毅(朝倉医師会病院 消化器内科), 馬場 真二(朝倉医師会病院 消化器内科), 田口 順(朝倉医師会病院 消化器内科), 梶原 雅彦(朝倉医師会病院 消化器内科), 安倍 弘彦(朝倉医師会病院 消化器内科), 井出 達也(久留米大学 内科学講座 消化器内科部門), 佐田 通夫(久留米大学 内科学講座 消化器内科部門)
抄録 【背景および目的】C型慢性肝炎のインターフェロン(IFN)療法においては、高齢者、進展した例、合併症を有する例では、充分な治療が出来ず、著効率も低いことが示されている。一方、IFN-β(フェロン)前投与が著効率の向上、治療期間の短縮をもたらすことが報告されている。そこで今回私共は、再発難治例を対象にフェロン前投与の効果を検討した。【対象】初回あるいは数回のIFN療法により著効が得られなかったC型肝炎患者17例を対象とした。治療開始はH20.8月~H22.7月までの期間であり、平均年齢は56.9歳(41~70歳)で男性9例、女性8例である。組織進展度ではF1:0例、F2:5例、F3:7例、F4:5例で、HCV群別では1群が13例で2群が4例であった。背景に基礎疾患を有するものが多く、糖尿病が7例、高血圧症5例、脂質異常症6例に認められ、全体の88.2%(15/17)が合併症を有していた。【方法】IFN-β(フェロン)は600万単位を1回/日あるいは300万単位で2回/日で2週間連続投与を行い、その後は通常のIFN療法(ペグインターフェロンとリバビリン併用)へ移行した。2分割投与したものが10例で、7例が600万単位1回/日で治療を開始した。【結果】フェロン2週間の連投直後にはHCV-RNA量は、1例を除いて2Log以上の減少を認め、3Log以上の減少が12例あり、陰性化していたものが5例に認められた。治療終了後、効果判定が可能となった15例中の7例にSVR(47%)が、再燃例が3例(20%)に、NRが5例(33%)であった。現在、2例(1例は2週間後陰性もその後に陽性化)が治療継続中である。【結語および考案】難治再発例に対するIFN-β(フェロン)の前投与は治療効果の上でも有効であり、また、その後のHCV-RNA量の変動を見ることにより効果予測が可能であり、今後の治療方針を判断する上でも有用と思われた。
索引用語 フェロン, 再発難治性C型肝炎