セッション情報 |
ワークショップ1「消化管のESDを安全に行うためのコツと工夫(ビデオ)」
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タイトル |
MW-01:当院における食道表在癌多発病変(同時性・異時性)に対するESDの現況
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演者 |
本田 邦臣(北九州市立医療センター 消化器科) |
共同演者 |
隅田 頼信(北九州市立医療センター 消化器科), 伊原 栄吉(北九州市立医療センター 消化器科), 富田 洋介(北九州市立医療センター 消化器科), 畑 佳孝(北九州市立医療センター 消化器科), 宮田 誠一(北九州市立医療センター 消化器科), 井原 裕二(北九州市立医療センター 消化器科), 三澤 正(北九州市立医療センター 消化器科) |
抄録 |
【目的】当院においてESDを施行した食道表在癌多発病変(同時性・異時性)について,現況を検討する.【対象と方法】対象:当院で2010年8月までにESDを施行した食道癌79症例(98病変).男性66例,女性13例,年齢中央値 66歳(50-81),腫瘍長径中央値 25mm(6-78),切除片径中央値 37mm(15-90),切除時間中央値 86分(24-232).ESDの方法:主にFlush knife (2.0 mm)を使用し,適宜Hook knife,SB knifeを用いた.方法:食道癌多発病変(同時性・異時性)の頻度,病変数,臨床経過などを検討した.【結果】79症例中,16症例(19.0%)に多発表在食道癌を認めた.その内訳は,同時性のみが5例(6.3 %),異時性のみが7例(8.9%),同時性+異時性が3例(3.8 %)であった.病変数は,2病変が10例,3病変が3例,4病変が1例,5病変が1例であった.同時性8例において,2病変が7例,3病変が1例であったが,すべて同日あるいは後日,ESDにて切除可能であった.異時性10例において,放射線化学療法(CRT)後の異時性再発が3例,EMR後の異時性再発が2例であった.ESD後の異時性病変にESDを施行した症例が4例,APCを施行した症例が1例であった.<ビデオ供覧>(症例1)以前のESD後瘢痕の近傍に病変が存在.一部線維化を認めたが,Hook knifeで対処可能であった.(症例2)進行食道癌CRT後の管腔狭小化の肛門側に病変が存在.フードを装着したGIF-Q260Jでは通過困難であり,GIF-XQ240を使用.CRTの影響で線維化あり.(症例3)胸部上部食道に長径78mの全周性に近い病変,胸部下部食道に径22mmの病変あり.深達度が深い可能性もあり,まず口側の病変に対してESDを施行.一部全周切除となり,予防的拡張術を施行.深達度MMであったため,後日,肛門側の病変に対して,ESDを施行したが,狭窄あり,バルーン拡張を施行.やはりフードを装着したGIF-Q260Jでは通過困難であり,GIF-XQ240を使用した.【結論】食道表在癌多発病変にもESDは有用であるが,治療後の潰瘍・瘢痕の影響を受ける場合には,個々の症例に合わせた対処が必要である. |
索引用語 |
食道, ESD |