セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研03:

クロストリジウム関連下痢症(CDAD)の一例

演者 平田 敬子(熊本市医師会 熊本地域医療センター 内科)
共同演者 上田 城久朗(熊本市医師会 熊本地域医療センター 内科), 成田 礼(熊本市医師会 熊本地域医療センター 内科), 堤 英治(熊本市医師会 熊本地域医療センター 内科), 山之内 健伯(熊本市医師会 熊本地域医療センター 内科), 中原 和之(熊本市医師会 熊本地域医療センター 内科), 陣内 克紀(熊本市医師会 熊本地域医療センター 内科), 田村 文雄(熊本市医師会 熊本地域医療センター 内科), 清住 雄昭(熊本市医師会 熊本地域医療センター 内科), 明石 隆吉(熊本市医師会 ヘルスケアセンター)
抄録 症例は91歳、男性。2010年3月28日に胆管結石による急性胆管炎で当センターへ入院した。入院後、4月1日までCPZ 2g/日の投与を行った。胆管結石については3月29日にERCPを行い、ESTを付加せずに6Frのダブルピッグテール型のプラスチックステントを留置した。処置後経過は良好であったが、3月30日の夕方より不穏状態がみられるようになり、4月1日の夜に下痢と39.0℃の発熱が出現した。4月2日に内視鏡で直腸のみ観察したところ、偽膜が認められ偽膜性腸炎と診断し、4月2日から塩酸バンコマイシン(VCM)1g/日の内服を開始した。VCM開始後、症状が改善し、4月6日に退院した。VCMについては4月13日まで内服した。4月14日に胆管結石の治療目的で再入院し、ESTを行い結石を除去した。処置後経過良好であったが、4月21日に38℃台の発熱を伴う下痢を認め、便培養でClostridium difficile(CD)が陽性であったため、CDによる腸炎の再発と診断した。VCM1g/日の内服を開始し、症状改善したため、5月1日に退院した。退院後、VCMの内服を5月4日まで計14日間行い、VCM投与中止後も症状の再燃はみられなかった。今回、再燃したクロストリジウム関連下痢症(CDAD)の症例を経験したので、文献的考察を加え、更に自施設でのCDADについての治療成績も合わせて報告する。
索引用語 偽膜性腸炎, 再発