抄録 |
症例は56歳の女性。脾リンパ腫の診断にて前医で脾摘出後、C型慢性肝炎の診断にて精査・加療目的にて当科紹介。HCV核酸定量5.6 logIU/mL、genotype2a。肝生検は未施行であるが脾摘出時の術中所見では結節肝であった。脾摘後末梢血白血球数7390/μl、好中球数2730/μl、血小板数34.5/μlと正常化し、かつ肝予備能もChildA(T-Bil 0.9 mg/dl, Alb 3.3 g/dl, PT 73.7%, 脳症なし, 腹水なし)と良好でありPegIFNα2b+ribavirin併用療法を開始した。投与開始時に、一時不正性器出血認めたが、婦人科診察にて異常なく、投与継続した。投与後血中HCVRNAは8週目で陰性化した。投与中、大きな副作用認めず、また、血液生化学データも大きな異常なく、減量せず24週で投与終了した。投与終了後8週目にAST 240 IU/l, ALT 150 IU/lと上昇かつ血中HCVRNAも陽転化しbreakthroughを認めたが、未治療で16週目にAST 35 IU/l, ALT 18 IU/lと正常化しかつ血中HCVRNAも陰性化し、現在終了後、15ヵ月経過したが、持続陰性中である。C型慢性肝炎に対するペグインターフェロン・リバビリンの再燃はしばしば経験されるが、再燃後自然経過で血中HCVRNAが持続陰性化した例の報告は稀であり報告する。 |