セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
160:生検にて悪性リンパ腫との鑑別が困難であった腹部腫瘤の1例
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演者 |
丸山 祐二(福岡和白病院) |
共同演者 |
櫨山 尚憲(福岡和白病院), 有村 英一郎(福岡和白病院), 東 喬太(福岡和白病院) |
抄録 |
症例は81歳女性。胃の不快感のため上部消化管内視鏡検査を施行した所、十二指腸水平部に潰瘍性病変を認めた。生検検査にて、当初はpoorly differentiated adenocarcinomaと診断されたが、画像上は悪性リンパ腫が疑われたため、再検した。再検討した所、悪性リンパ腫と診断された。腹部CTでは膵体部中心に周囲の臓器に浸潤する巨大な腫瘤を形成していた。またFDG PET-CTで十二指腸を中心に強い集積を認めたが、さらに横行結腸周囲にも集積を認めた。大腸内視鏡検査を施行し、横行結腸に全周性の狭窄を伴う潰瘍性病変を認めた。こちらの生検も基本的には十二指腸の病変と同様の所見であった。またMRCPではMPDに変形なし。特殊なリンパ系腫瘍なども疑ったが、生検組織の追加の免疫染色では、AE1/AE3のみ陽性を示し、悪性リンパ腫のマーカーは全て陰性であり、未分化癌との鑑別を要する所見とのことであった。すでに手術適応が困難な腫瘍であったため、確定診断によって、化学療法などを計画していたが、診断に難渋している間に急速に黄疸を生じた。ERCPを試みたが、腫瘍が乳頭部を含め、十二指腸粘膜に広範に浸潤するように増大していたため、減黄できなかった。その後、多臓器不全が続発し永眠した。病理解剖を施行し、最終的に膵原発の未分化癌の診断を得た。 |
索引用語 |
膵癌, 未分化癌 |