セッション情報 |
研修医発表(卒後2年迄)
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タイトル |
研43:腫瘍内出血による腹部膨隆にて発見された巨大小腸GISTの1例
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演者 |
蒲池 紗央里(佐賀県立病院 好生館 内科) |
共同演者 |
中下 俊也(佐賀県立病院 好生館 内科), 秋山 巧(佐賀県立病院 好生館 内科), 藤本 優(佐賀県立病院 好生館 内科), 川添 聖治(佐賀県立病院 好生館 内科) |
抄録 |
【はじめに】GIST(Gastrointestinal stromal tumor)は、消化管筋層内に存在するCajal細胞に由来の粘膜下腫瘍である。今回、腫瘍内出血による腹部膨隆を契機に発見されたGIST症例を経験したので報告する。【症例】59歳男性【主訴】腹部膨隆【既往】尿管結石と高血圧【現病歴】X月10日に左鼠径部痛を主訴に近医泌尿器科を受診。濃尿あり前立腺炎の診断で抗生剤内服となるが、症状改善に乏しくX月12日に前医を再診。再診時に腹部膨隆を認め腹部エコーで腹水貯留を疑われたため当院に紹介受診となった。【経過】来院時は下腹部の著明な膨隆を認め、腹部全体の疼痛を訴えるのみで、その他特記所見は認めなかった。同日のCTで腹腔内を占拠する直径33cm程度の充実性病変と液体を含むmassを認めたが腫瘍起始部は明らかでなかった。mass内部の液体はfluidレベルから血液が疑われ、一部造影剤のextravasationを認めたため責任血管の検索および止血目的に腹部血管造影を施行するが、活動性の出血を指摘できなかった。翌X月13日にmass内部の液体成分同定および腫瘍生検目的に経皮エコー下に腫瘍穿刺を施行した。内部貯留のfluidはHb8.4g/dlの血液成分であり、充実性病変より生検施行し、結果、紡錘形~類円形の間葉系細胞が不規則に認められ、c-kit陽性、vimentin陽性のGISTと判明した。液体成分は穿刺後、カテーテルを留置し、6日間で2500ml程度の排液を認めた。当院消化器外科に転科後、塩酸イマチニブ内服を開始され、X+3月に腫瘍サイズの著明な縮小を認めたため、外科切除に至った。massは小腸由来であり腹膜播種を認められたため、術後化学療法として塩酸イマチニブ内服を再開となっている。 |
索引用語 |
GIST, 腫瘍内出血 |