セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 134:巨大結節を肝両葉に伴う進行肝細胞癌に対してNewFP療法を中心とした集学的治療が奏効した一例 |
演者 | 池園 友(公立八女総合病院 内科) |
共同演者 | 永松 洋明(公立八女総合病院 内科), 丸岡 浩人(公立八女総合病院 内科), 徳安 秀紀(公立八女総合病院 内科), 澤田 昌幸(公立八女総合病院 内科), 天野 恵介(公立八女総合病院 内科), 立石 秀夫(公立八女総合病院 内科), 水上 直久(公立八女総合病院 放射線科), 吉田 博(公立八女総合病院 内科), 佐田 通夫(久留米大学病院消化器内科) |
抄録 | 【はじめに】従来巨大結節を伴う切除不能肝細胞癌は予後不良とされている。当院ではNew FP療法(NFP)を考案し、巨大結節を有する肝細胞癌に対しても長期生存が期待できることを報告してきた。今回我々は肝両様に巨大結節を認める肝細胞癌に対してNFPを中心とした集学的治療を行うことで良好な経過を得ている症例を経験したので報告する。【症例】67歳男性。高血圧症にて前医通院中に肝酵素の上昇と、腹部エコーで肝両葉に巨大結節を認めたため2009年1月に当院紹介となる。造影CTで肝左葉に111mm大、肝右葉に70mm大、その他両葉に肝内転移を数個認め、Vp2伴う切除不能進行肝細胞癌と診断した。血液検査ではHBs Ag(-)、HCV Ab(+)、腫瘍マーカーはAFP:159ng/ml、L3分画:38.4%、DCP:2850mAU/mlであった。肝予備能はChild Pugh score 5点、Grade Aであった。2009年1月左上腕から左肝動脈内へ簡易リザーバーを留置、NewFP療法を2コース、その後先端を右肝動脈へ移し、NewFP療法を1コース、カテーテル抜去時にTACE(EPI:20mg+MMC:6mg)を追加した。2009年3月には両葉の残存した結節に対してTACE(RHA、LHAへそれぞれCDDP50mg)を追加し腫瘍のコントロールが得られ、腫瘍マーカーもすべて正常範囲へ改善を認めた。2009年12月は肝右葉中心に再発しTACE(EPI:80mg)、2010年2月にも再発を認め、TACE(ミリプラチン70mg)を追加した。また2010年2月より左葉の結節に対して再発予防の目的で放射線治療(2.5Gy×20回:total 50Gy)も併用した。2010年6月、肝S6に約30mm大の再発を認め、PRFAを施行した。2010年8月時点で診断から約19カ月経過し、明らかな遠隔転移の出現もなく肝左葉HCCは53mm大、右葉は32mm大と縮小し、現在画像上はCR(日本肝癌研究会基準)の状態である。【まとめ】切除不能肝細胞癌に対してNFP動注化学療法、放射線治療、局所治療を組み合わせることで良好な経過が得られた一例を経験した。 |
索引用語 | 巨大肝細胞癌, NFP |