セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 123:ペグインターフェロンとリバビリンの併用療法中にサルコイドーシスを発症したC型慢性肝炎の1例 |
演者 | 千住 猛士(飯塚病院肝臓内科) |
共同演者 | 田尻 博敬(飯塚病院肝臓内科), 矢田 雅佳(飯塚病院肝臓内科), 本村 健太(飯塚病院肝臓内科), 小柳 年正(飯塚病院肝臓内科), 的野 浩士(飯塚病院病理), 大屋 正文(飯塚病院病理), 増本 陽秀(飯塚病院肝臓内科) |
抄録 | 症例は69歳女性。C型慢性肝炎の診断で53歳時にインターフェロン(IFN)治療を受けたが無効であった。2009年1月、WBC 6,520 /μl、Hb 14.6 g/dl、Plt 17.9万/μl、TP 7.9 g/dl、Alb 4.3 g/dl、T-Bil 0.9 mg/dl、AST 70 IU/l、ALT 87 IU/l、γ-GTP 15 IU/l、ALP 252 IU/l、ChE 343 IU/l、HCV genotype 1b、HCV-RNA 6.3 logIU/ml、体重 61 kgであり、ペグインターフェロンα2bとリバビリンの併用によるIFN治療を開始した。17週でHCV-RNAは陰性化したが、35週頃より両膝の発赤、腫脹、熱感、疼痛を認め、X線撮影、関節穿刺などを施行したが原因不明であった。その後、両肘関節にも同様の症状が出現し、40週には前腕伸側、両膝に脂肪織炎様の皮下結節が出現した。皮膚科で前腕および膝の皮膚生検を施行したところ、脂肪組織内に類上皮細胞性肉芽腫を認め、乾酪壊死巣はみられなかった。胸部CTにて、IFN開始前にはみられなかった縦隔および肺門リンパ節の腫張が出現しており、サルコイドーシスと診断した。IFN治療とサルコイドーシス発症の因果関係が示唆されたが、心と眼には病変が認められなかった。サルコイドーシスは自然治癒傾向が強いためIFN治療継続も可能と考えたが、患者の希望により43週で治療を中止した。IFN治療中止1ヵ月後にHCVは再燃したが、膝関節、肘関節の発赤腫脹および皮膚所見は次第に軽快し、4ヵ月後のCTで縦隔、肺門リンパ節の縮小を認めた。 サルコイドーシスは全身諸臓器に類上皮細胞性肉芽腫を形成する原因不明の肉芽腫性疾患である。本症例はC型慢性肝炎に対するペグインターフェロンとリバビリンの併用療法中にサルコイドーシスを発症した興味ある症例であり、文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | インターフェロン, サルコイドーシス |