セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
21:血管塞栓術にて救命しえた仮性動脈瘤を伴う出血性胃潰瘍の1例
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演者 |
庄司 寛之(五島中央病院内科) |
共同演者 |
大場 一生(五島中央病院内科), 吉川 大介(五島中央病院内科), 長置 健司(五島中央病院放射線科), 神田 哲郎(五島中央病院内科) |
抄録 |
症例は50歳男性。2010年6月26日(第1病日)夕食後に気分不良を自覚。数回吐血後に失神あり、当院搬送。来院時検査にて軽度貧血、BUNの上昇を認め、上部消化管出血が疑われたため、上部消化管内視鏡検査(GIS)および入院を勧められるも拒否、内服処方のみで帰宅した。6月28日(第3病日)GIS目的に当院外来受診。胃体中部小弯に露出血管を伴う深堀れの活動期A1潰瘍を認め、クリッピングにて止血術施行後、入院。第4病日GISでは露出血管および新たな出血なく、同日夕に食事摂取再開し、以降経過良好であった。第11病日、数回吐血あり、ショック状態に陥った。至急、大量輸液および輸血行うも、全身状態悪化し、さらに呼吸状態悪化したため、気管内挿管施行。やや全身状態落ち着いたところで、緊急GIS施行。既知の潰瘍より噴出性出血認めたため、クリッピング追加するも止血困難であった。クリッピングにて一旦止血するも、再度ショック状態となり状態悪化したためGISを中止した。心室細動出現認め、除細動施行するも心停止となり、心臓マッサージを開始。その後も心室細動頻発し、除細動を繰り返した。蘇生処置にて意識レベル、バイタルサインは若干改善するもショック状態を脱しないため、出血が持続していると判断した。手術困難と判断し、血管塞栓術施行。腹腔動脈造影、左胃動脈造影にて、胃内クリップすぐ近傍の左胃動脈分枝に仮性動脈瘤と同部位から胃内への造影剤の血管外漏出像を認めた。責任血管の遠位側から近位側にかけて、コイル塞栓術施行。塞栓術終了後にはショック状態を脱した。呼吸状態も改善したため、第13病日には気管挿管チューブを抜去。第13病日GISでは、潰瘍サイズは若干増大するも露出血管は消失し、出血は認めなかった。第27病日GISでは潰瘍は縮小し、経過良好であったため、第32病日退院となった。今回、仮性動脈瘤破裂を来たし、心肺停止に至るも、心肺蘇生術および血管塞栓術にて救命しえた1例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 |
胃動脈瘤, 血管塞栓術 |