セッション情報 |
研修医発表(卒後2年迄)
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タイトル |
研67:潰瘍性大腸炎に合併した原発性硬化性胆管炎の1例
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演者 |
花城 ふく子(ハートライフ病院消化器内科) |
共同演者 |
折田 均(ハートライフ病院消化器内科), 城間 丈二(ハートライフ病院消化器内科), 新城 勇人(ハートライフ病院消化器内科), 宮城 純(ハートライフ病院消化器内科), 佐久川 廣(ハートライフ病院消化器内科) |
抄録 |
【症例】59歳男性。【主訴】肝機能異常。【既往歴】潰瘍性大腸炎(以下UC)、不安定狭心症。【現病歴】1998年より健診で腸の炎症性変化を指摘されていた。2002年よりUC(特発性、全大腸型)で当院外来へ通院中であった。2008年4月に肝胆道系酵素の上昇を認め、同年10月の再検でも増悪傾向を示したため、精査目的に同年12月に入院となった。【臨床経過】身体所見上黄疸を認めず、血液検査でビリルビン値は正常であったが、GPT 45 IU/L、ALP 550 IU/L、γ-GTP 155 IU/Lと肝胆道系酵素の上昇を認めた。肝炎ウイルスマーカーは陰性で、抗ミトコンドリア抗体陰性、MPO-ANCA陰性であった。MRCP、ERCPで総胆管、肝内胆管にびまん性の数珠状狭窄を認め、原発性硬化性胆管炎(以下PSC)を示唆する所見であった。血清IgG4は14.2mg/dLと正常値であり、IgG4関連硬化性胆管炎は否定的と考えられた。以上の所見よりPSCと診断し、治療としてウルソデオキシコール酸600mgの内服を開始したところ、肝胆道系酵素の改善を認め、PSCの経過は良好である。【結語】UCを合併したPSCの1例を経験した。PSCを疑った場合はIgG4関連の硬化性胆管炎との鑑別が重要であり、PSCと診断した際には胆管癌の合併や肝不全の進行に関して慎重にフォローする必要がある。 |
索引用語 |
原発性硬化性胆管炎, 潰瘍性大腸炎 |