セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 63:成人小腸間膜リンパ管腫の1例 |
演者 | 小野 陽平(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学) |
共同演者 | 山路 尚久(鹿児島大学病院 光学医療診療部), 嵜山 敏男(鹿児島大学病院 光学医療診療部), 前田 拓郎(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 有馬 志穂(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 隈元 亮(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 瀬戸山 仁(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 船川 慶太(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 藤田 浩(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 菰方 輝夫(鹿児島大学大学院 循環器呼吸器消化器疾患制御学), 坪内 博仁(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学) |
抄録 | 症例は33歳の女性。腹部膨満感を主訴に近医受診。腹部超音波検査、腹部CT検査、腹部MRI検査で腹腔に巨大な多房性嚢胞性腫瘤(36x25.5x12.5cm)を認め、腹膜偽粘液腫が疑われた。さらなる精査のため当院紹介となった。粘液産生性の腫瘍原発巣検索目的に上下部消化管内視鏡検査、婦人科診察を行ったが、消化管・卵巣の異常所見を認めなかった。各画像検査で腫瘤内に明らかな充実成分を認めず、良性腫瘍、特にリンパ管腫を考えたが、嚢胞が大きいことから悪性の可能性を否定できず手術を施行した。嚢胞は小腸間膜より発生しており、接する小腸の部分切除を含む嚢胞摘出術を行った。摘出標本重量は6,120g、内容物は緑黒色の比較的粘稠な液体5,100mlであった。病理組織学的には、嚢胞は扁平な細胞に覆われており、D2-40、CD31、第VIII因子が陽性であった。嚢胞壁は膠原線維と線維芽細胞からなる線維性結合織が主体であり、一部に平滑筋組織の増生やリンパ濾胞の形成を認めた。切除小腸では筋層まで病変が進展していた。悪性所見は認めなかった。以上より嚢胞状リンパ管腫と診断した。リンパ管腫は多くが乳児期までに診断され、頚部・腋窩に好発する。成人の腸間膜リンパ管腫は比較的まれな疾患であり、文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | リンパ管腫, 腸間膜 |