セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研46:

術前CTが有用と思われたMeckel憩室による絞扼性イレウスの1例

演者 枇杷 美紀(福岡県済生会二日市病院 外科)
共同演者 成富 一哉(福岡県済生会二日市病院 外科), 橋本 光生(福岡県済生会二日市病院 外科), 和田 至弘(福岡県済生会二日市病院 外科), 岐部 史郎(福岡県済生会二日市病院 外科), 間野 正衛(福岡県済生会二日市病院 外科), 中山 直己(福岡県済生会二日市病院 放射線科), 西村 浩(福岡県済生会二日市病院 放射線科)
抄録 症例は43歳女性、下腹部痛、嘔吐を主訴に近医受診。同日、急性腹症の診断にて当院紹介。下腹部を中心に圧痛を認めるも、defenceはなく、開腹歴はなかった。造影CT上、広範囲に小腸の虚血像を認め、絞扼性イレウスの診断にて同日、緊急開腹術を施行。術中所見では頚部が長く頂部が嚢状を呈する憩室が回腸係蹄を結ぶように取り巻き、絞扼していた。憩室は回腸末端より口側50cmの腸間膜対側にあり、Meckel憩室による絞扼性イレウスの診断のもと、壊死回腸120cmを切除、小腸端々吻合施行。病理組織学検査で憩室内に異所性胃粘膜を認め、Meckel憩室と診断。Meckel憩室による合併症は時に臨床の場で遭遇する。中でもイレウスは最も多く、その発症機序については幾つかの報告を散見するが、術前診断が可能であった報告はない。レトロスペクティブにCTを再評価すると壊死小腸の根部に索状物、及び嚢状の構造物を認め、Meckel憩室などの腸管外へ隆起した嚢胞性病変による両側閉塞性の絞扼性イレウスが考えられた。今回、我々は術前CTが有用と思われたMeckel憩室による絞扼性イレウスを経験したので、若干の文献を加え、報告する。
索引用語 Meckel憩室, 絞扼性イレウス