セッション情報 特別企画1「これからを担う消化器専門医の育成:われわれの取り組みと課題-内科系の立場から-」

タイトル SP1-01:

長崎大学消化器内科における医師獲得に向けた我々の試み

演者 宮明 寿光(長崎大学病院消化器内科)
共同演者 赤澤 祐子(長崎大学病院消化器内科), 山口 直之(長崎大学病院消化器内科DELIMITER長崎大学病院光学医療診療部), 田浦 直太(長崎大学病院消化器内科), 大仁田 賢(長崎大学病院消化器内科), 市川 辰樹(長崎大学病院消化器内科), 磯本 一(長崎大学病院消化器内科DELIMITER長崎大学病院光学医療診療部), 竹島 史直(長崎大学病院消化器内科), 中尾 一彦(長崎大学病院消化器内科)
抄録 2009年3月1日に長崎大学消化器内科は、新しい診療科として誕生した。魅力的な診療科であることを学生や研修医にしめすことが、消化器内科医育成にとって重要であると考えており、我々の現在の取り組みを紹介する。
学生に対しては、スキルラボを利用した技術指導セミナー(春合宿、夏合宿)を今年より開催している。このセミナーは3~4日間シミュレーター実習を中心にいろいろな手技を体験できる内容となっており、春合宿10人、夏合宿6人と参加し、アンケートにおいても好評である。
研修医には、多くの症例を経験できるようにしている。当科をローテートする研修医は2~3ヶ月周期で研修を行っているが、そのローテート中受け持つ患者の数は8~10人/月と他の内科と比較して多くの症例を経験できる。また内視鏡、エコー下手技といった消化器内科ならではの手技を多く経験させることに重点を置いている。まずは研修医に対しては内視鏡検査導入として胃および大腸内視鏡モデルを使用し内視鏡の基本的操作(アングル操作、撮影部位等)の習得ができるよう指導医が休日を利用し教育している。ある程度の内視鏡操作、撮影部位などを把握できるようになって初めて実際の上部内視鏡検査を施行させさらなる技術向上を目指しているが、現在多くの研修医が2ヶ月での内視鏡検査を平均20例施行している。仲には下部内視鏡検査を行いtotal colonoscopyを行った初期研修医もいた。エコー手技に関しては、まずはシミュレーターでエコー操作等を指導後、通常のルーチンエコー検査を中心に2ヶ月間指導を行い、一度はすべての研修医が肝生検の穿刺を行っている。なかには、ラジオ波焼却術の穿刺をおこなった研修医もいた。
学生、初期研修医の症例に対する理解を深めるためにも学会発表も重視している。前々回の地方会(熊本)では研修医3名が前回の地方会(北九州)では研修医3名、学生2名が発表を行った。学生、初期研修のうちに多くの症例を経験し、他の内科にはない手技の教育を重視することで、消化器内科への興味を抱かせることが消化器内科専門医教育にとっても最も重要であると考える。
索引用語 学生教育, 研修医教育