セッション情報 | 研修医発表(卒後2年迄) |
---|---|
タイトル | 研04:MDSに合併した難治性腸管ベーチェット病の1例 |
演者 | 大村 雄一(大分大学医学部附属病院 消化器内科) |
共同演者 | 園田 光 光(宇佐高田医師会病院 消化器科), 梶本 展明(大分大学医学部附属病院 消化器内科), 平下 有香(大分大学医学部附属病院 消化器内科), 安倍 高志(大分大学医学部附属病院 消化器内科), 本村 充輝(大分大学医学部附属病院 消化器内科), 水上 一弘(大分大学医学部附属病院 消化器内科), 内田 政広(大分大学医学部附属病院 消化器内科), 井上 邦光(大分大学医学部附属病院 消化器内科), 沖本 忠義(大分大学医学部附属病院 消化器内科), 児玉 雅明(大分大学医学部附属病院 消化器内科), 村上 和成(大分大学医学部附属病院 消化器内科), 藤岡 利生(大分大学医学部附属病院 消化器内科) |
抄録 | 【はじめに】MDSに合併した腸管ベーチェット病は免疫抑制療法に抵抗性であることが知られている。当科で経験したMDSに合併した難治性腸管ベーチェットの1例を報告する。【症例】61歳・男性【既往歴】MDS【経過】以前よりMDSのため外来フォローされていた。2009年9月に発熱・咽頭痛・下痢・下血が出現し、入院となった。抗生剤に反応せず、10月の上下部消化管内視鏡所見では咽頭に潰瘍を、回盲部に類円形深掘れ潰瘍の多発を認め、腸管ベーチェトと診断した。PSL 80mg投与にて症状は軽快したが、60mgへの減量で再燃した。その後GCAP,IFX投与を行ったが潰瘍出血のコントロールは不良であり、11月18日に遠位回腸切除術,右結腸切除術を施行した。11月26日、以前は病変がなかった下行結腸から下血し、TAEにて止血した。その後も39℃以上の発熱が続き、CsAの持続静注を行ったが、効果は乏しかった。12月31日吻合部より消化管穿孔を発症し、穿孔部位を含め30cmほど腸管を切除、回腸・横行結腸人工肛門を造設した。その後、炎症所見、出血症状は軽快し、小腸側には病変を認めなかったものの、大腸内には深掘れ潰瘍が多発し、進行していた。穿孔の危険性が高いと判断し、2010年5月7日大腸全摘術・腹会陰式直腸切断術を施行した。腸管外合併症(腹腔内膿瘍、侵襲性アスペルギルス症、壊疽性膿皮症など)についても供覧する。【考察】あらゆる免疫抑制療法に抵抗性で、合併症治療に難渋した腸管ベーチェットの症例を経験した。MDSに合併した腸管ベーチェットは免疫抑制療法に抵抗性であることが多いとされる。骨髄移植が奏効した症例が散見され、文献的考察をふまえて報告する。 |
索引用語 | 腸管ベーチェット, 骨髄異形成症候群 |