セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年) |
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タイトル | 専39:カプセル内視鏡、バルーン内視鏡を用いて診断・治療した全消化管angioectasiaの1例 |
演者 | 園田 光(宇佐高田医師会病院 消化器科) |
共同演者 | 小野 英樹(宇佐高田医師会病院 消化器科), 梶本 展明(大分大学医学部附属病院 消化器内科), 平下 有香(大分大学医学部附属病院 消化器内科), 安部 高志(大分大学医学部附属病院 消化器内科), 本村 充輝(大分大学医学部附属病院 消化器内科), 水上 一弘(大分大学医学部附属病院 消化器内科), 内田 政広(大分大学医学部附属病院 消化器内科), 井上 邦光(大分大学医学部附属病院 消化器内科), 沖本 忠義(大分大学医学部附属病院 消化器内科), 児玉 雅明(大分大学医学部附属病院 消化器内科), 村上 和成(大分大学医学部附属病院 消化器内科), 藤岡 利生(大分大学医学部附属病院 消化器内科) |
抄録 | 【はじめに】カプセル内視鏡(VCE)やバルーン内視鏡の普及に伴い、小腸の血管拡張症(angioectasia)が多く報告されている。肝硬変症、慢性腎臓病に合併した全消化管のangioectasiaに対してVCEとシングルバルーン内視鏡(SBE)を用いて診断・治療を行った症例を報告する。【症例】63歳・男性【主訴】貧血・タール便【経過】B型肝硬変症、血液透析のため近医でフォローされていた。2008年頃より頻回に下血するようになり、上部消化管内視鏡検査にてGAVEと診断された。頻回にAPCを施行されたが約2カ月おきに貧血の進行、輸血が必要となり、GAVE以外の出血源が疑われ、2010年4月に当科を紹介受診した。上部消化管には広範囲にGAVEとPHGを認めた。下部消化管ではangioetasiaが上行結腸に数カ所、終末回腸にも多発していた。VCEでは全小腸に無数のangioectasiaを認め、肛門側ほど多発する傾向にあった。GAVEに対してはAPCを行い、小腸病変に対しては経口・経肛門SBEにより計約200カ所の病変に対しAPCを行った。1ヶ月後のVCEではangioectasiaの残存を認めたが、タール便は認められなくなり、その後の貧血の進行は認めていない。【考察】近年門脈圧亢進症性小腸症(PHE)の報告が散見されるが、進行性の貧血をきたすほど多発したangioectasiaの報告は稀であり、本症例はPHEだけでは説明がつかないと思われた。GAVEや腎不全の存在からGAVEに類似した小腸病変が存在していたものと思われ、VCE, SBEの有用性が強く示唆される症例であった。 |
索引用語 | 小腸, angioectasia |