セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 44:終末期の癌患者における難治性イレウスに対して経胃瘻的にイレウス管を挿入した2例 |
演者 | 瀧澤 延喜(原三信病院消化器科) |
共同演者 | 仁保 宏二郎(原三信病院消化器科), 深浦 啓太(原三信病院消化器科), 山田 隆史(原三信病院消化器科), 茶圓 智人(原三信病院消化器科), 兼城 三由紀(原三信病院消化器科), 中村 典資(原三信病院消化器科), 松坂 浩史(原三信病院消化器科), 永瀬 章二(原三信病院消化器科), 千々岩 芳春(原三信病院消化器科), 笹月 朋成(原三信病院外科), 江口 徹(原三信病院外科), 中村 和彦(九州大学病態制御内科学) |
抄録 | 終末期の癌患者では癌性腹膜炎などによる難治性イレウスを経験することがある。経鼻胃管・イレウス管による減圧やソマトスタチンアナログ製剤の投与などが行われるが改善は難しく、胃管・イレウス管の留置が長期になる場合も少なくない。そのため結果として、鼻腔などの粘膜損傷や経鼻留置による容姿の問題が生じ、患者のQOLを必ずしも満足に改善してはいない。減圧目的の胃瘻は有効であるが、イレウス管に比較して減圧効果が弱いとする報告もある。経胃瘻的にイレウス管を留置することは、胃瘻とイレウス管の両者の利点を生かすことで患者の症状及びQOLの改善を得るために有効な手段と考えられる。今回、我々が経験した2例について若干の文献的考察を加え報告する。症例1は67歳男性。2005年に近医で直腸・横行結腸癌に対して直腸切断、横行結腸切除、人工肛門造設術を施行された。その後、癌性腹膜炎などが出現し、2007年に当院へ紹介された。紹介時のCTでは腸管拡張やニボーを認めていたが腹満感や嘔気は目立っていなかった。経過観察中の2008年4月頃から腹満感や嘔吐が増悪し、癌性腹膜炎によるイレウスと診断した。まずは胃管を留置したが十分な減圧は得られず、原疾患の改善が難しいことや経鼻留置への苦痛も強いことから、経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)を選択した。しかしPEG後も症状が持続するため、瘻孔が安定した後に経胃瘻的にイレウス管を留置した。その後、症状は軽減し、強い苦痛もなく長期留置が可能であった。症例2は39歳男性。2009年2月に回盲部癌に対して回盲部切除、D3郭清術を施行された。その後、癌性腹膜炎、多発肺転移を認め、化学療法を継続していたが増悪し、吻合部再発も出現した。2010年7月頃から腹満感、嘔吐が出現し、吻合部再発及び癌性腹膜炎によるイレウスと診断した。まずイレウス管を留置したが、症状は改善せず、経鼻留置への苦痛もあり、次いでPEGを施行した。しかし、PEG後も症状が持続したため、経胃瘻的にイレウス管を挿入した。その後、症状は軽減された。 |
索引用語 | イレウス, 胃瘻 |