セッション情報 ワークショップ3「消化器疾患に対する低侵襲手術(ビデオ)」

タイトル MW-05:

胃機能温存に配慮したGISTに対する腹腔鏡下手術の工夫

演者 中ノ子 智徳(九州大学消化器・総合外科)
共同演者 掛地 吉弘(九州大学消化器・総合外科), 神代 竜一(九州大学消化器・総合外科), 中西 良太(九州大学消化器・総合外科), 久松 雄一(九州大学消化器・総合外科), 久保 信英(九州大学消化器・総合外科), 藤中 良彦(九州大学消化器・総合外科), 園田 英人(九州大学消化器・総合外科), 江頭 明典(九州大学消化器・総合外科), 大賀 丈史(九州大学消化器・総合外科), 森田 勝(九州大学消化器・総合外科), 辻谷 俊一(九州大学消化器・総合外科), 鴻江 俊治(九州大学消化器・総合外科), 前原 喜彦(九州大学消化器・総合外科)
抄録 GISTあるいは粘膜下腫瘍に対し、腹腔鏡手術は安全に行えるというretrospective studyが存在する。注意点として腫瘍自体を直接鉗子などで把持しないことがあげられるが、腹腔鏡手術になれた医師が行えば、5cm以下のGISTは安全に切除可能と推測される。手術はリンパ節郭清を必要としない局所切除が原則であり、根治性とともに胃機能温存にも配慮することが望まれる。2005年から5cm未満のGIST14例に対して行った腹腔鏡下手術の工夫を紹介する。1) 噴門、幽門部近傍の病変:術中内視鏡でGISTの位置を正確に捉え、必要最小限の切除を行う。噴門や幽門に内視鏡を通した状態で切除操作を進めて狭窄を予防する。2) 胃内発育型腫瘍:腫瘍辺縁の漿膜を切開して腫瘍を管外にめくり上げ、切除範囲が少なくなるように切除する。3) 胃内手術:管外からのアプローチが困難な場合は胃内手術を行う。2チャンネルの内視鏡を使用するとカメラの視野と把持鉗子、あるいはスネアが利用でき、胃内に挿入するトロカーはlinear stapler用の1本だけで済む。以上の手技を症例に応じて工夫することでほとんどの症例で病変部位を問わず腹腔鏡による局所切除が可能になっている。
索引用語 GIST, 腹腔鏡手術