セッション情報 | 一般演題 |
---|---|
タイトル | 34:Granulocyte-colony stimulating factor(G-CSF)産生食道癌肉腫の一例 |
演者 | 西俣 伸亮(社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科) |
共同演者 | 島岡 俊治(社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 松田 彰郎(社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 仁王 辰幸(社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 政 幸一郎(社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 鳥丸 博光(社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 田代 光太郎(社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 新原 亨(社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 永田 優子(社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 今村 誠子(社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 川畑 拓也(社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 西俣 嘉人(社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 堀 雅英(社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 西俣 寛人(社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 田中 貞夫(社団法人鹿児島共済会 南風病院 病理診断科), 柳 政行(社団法人鹿児島共済会 南風病院 外科・消化器外科), 有留 邦明(社団法人鹿児島共済会 南風病院 外科・消化器外科), 末永 豊邦(社団法人鹿児島共済会 南風病院 外科・消化器外科), 相良 有一(医療法人吉翔会 よしの相良外科) |
抄録 | 症例は69才の男性。2010年3月頃より食後の前胸部違和感が出現してきたため4月20日近医にて上部消化管内視鏡検査が施行された。下部食道癌が疑われたため4月26日当科を紹介され入院となった。門歯より35-42cmの部位に管腔をほぼ占める隆起性病変がみられ、口側には同腫瘍と連続しているヨード不染域を伴っていた。また、入院時より微熱が持続していた。血液検査でもWBC 19470/μl(Neutro 74.9%),CRP 4.5mg/dlと感染症の合併も疑われたが、臨床症状及び全身画像スクリーニングにて明らかな感染源となるような病変は指摘できなかった。このため、癌の転移検索目的も含めて全身PET-CTを施行した。胸部下部食道及びその所属リンパ節群の他に全身の骨髄集積亢進を認めたため、骨髄生検を施行したが骨髄転移も含めた腫瘍細胞の増生は認めなかった。血中G-CSFを測定したところ142.0pg/mlと高値を示しておりGranulocyte-colony stimulating factor(G-CSF)産生腫瘍が疑われ、5月12日右開胸開腹食道亜全摘術を施行した。切除標本の病理組織学的所見は浸潤性の扁平上皮癌と紡錘形の間葉系肉腫成分両方の移行性が認められた。最終病理診断はCarcinosarcomaでpT3,pN1,pM0,stage IIIであった。術後の血液検査にてWBC 7300/μl(Neutro 53.0%)、CRP 1.2mg/dl、G-CSF 34.0pg/mlと改善傾向にあり、術後標本の免疫組織化学染色でも腫瘍細胞は抗GM-CSF抗体に陽性を示したことからG-CSF産生食道癌肉腫と診断された。G-CSF産生腫瘍の多くが肺癌症例であり食道癌肉腫の報告は稀であることから、本症例は大変貴重な症例と考えられたため若干の文献的考察も加えて報告する。 |
索引用語 | 食道癌肉腫, G-CSF |