| セッション情報 |
ワークショップ3「消化器疾患に対する低侵襲手術(ビデオ)」
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| タイトル |
WS3-07:クローン病に対する腹腔鏡下手術
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| 演者 |
池田 拓人(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科) |
| 共同演者 |
佛坂 正幸(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科), 内山 周一郎(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科), 千々岩 一男(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科) |
| 抄録 |
クローン病の病型,病変範囲は様々であり,術式も多岐にわたる.ガイドラインでは腹腔鏡手術は瘻孔例,大腸全摘例などでは慎重に施行すべきとされている.教室でのクローン病に対する腹腔鏡手術について検討した.【対象と方法】教室では1980年以来105例のクローン病に対して手術を行っている.教室での腹腔鏡手術は2003年より導入し,適応は初回手術例,著明な瘻孔形成,膿瘍形成のない症例を基本としており,現在までに25例(男性:21例,女性:4例,年齢:29.6±9.1(平均±標準偏差)歳)に対して26手術を行っている. Vienna分類ではA1:A2は20:5,L1:L2:L3:L4は2:5:12(1):7で,B1(炎症型):B2(狭窄型):B3(穿通型)は1:16:9(1)(()内は同一症例での再手術時)であった.開腹創は7cm以下を腹腔鏡下とし,7cmを越えた場合には開腹移行と定義した.【結果】腹腔鏡完遂は19手術で,開腹移行は7手術であった.開腹移行手術はB2:3例,B3:4例で瘻孔型に開腹移行手術が多かった(p=0.035).開腹移行の理由は高度の炎症:2例,内瘻,膿瘍による腫瘤形成:2例,穿通・膿瘍:1例,高度の炎症+腸管拡張:1例,尿膜管膿瘍:1例であった.全例の手術時間は352±129分 (平均±標準偏差),術中出血量は558±487mlであった.B2,B3にわけると,手術時間はB2で332±139分,B3で391±87分,術中出血量はB2で550±554ml,B3で530±217mlと有意差はなかった.22手術で術中内視鏡を施行しており,全小腸病変の確認を行った.術式は様々であったが3例の結腸亜全摘術,1例の結腸全摘術が施行されていた.そのうち2例の結腸亜全摘術は開腹移行になった.術後の合併症は縫合不全:2例,創感染:2例,イレウス:2例,術後出血:1例,急性膵炎:1例であり,いずれも保存的治療で軽快した.初回手術時より47.4±27.3ヵ月日を経過しており,2例で再手術を行っている.【考察】クローン病では,再手術率,術後合併症は,開腹手術と遜色ないものの,瘻孔,膿瘍を有する症例,大腸亜全摘例では適応を慎重に検討すべきと考えられた.腹腔鏡補助下手術においても術中内視鏡は可能であった.内視鏡手術難渋例を中心にビデオを供覧する. |
| 索引用語 |
クローン病, 腹腔鏡下手術 |