セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
124:ペグIFN、リバビリン併用療法中に、PIVKA2の著明な上昇を認めたC型慢性肝炎の1症例
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演者 |
松本 修一(福岡徳洲会病院 肝臓内科) |
共同演者 |
石田 素子(福岡徳洲会病院 総合内科), 西川 晃子(福岡徳洲会病院 肝臓内科), 蒲池 直紀(福岡徳洲会病院 総合内科), 松林 直(福岡徳洲会病院 心療内科) |
抄録 |
【症例】27歳、女性【現病歴】X年6月に全身倦怠感を自覚し、かかりつけ医で採血を行ったところALT 1802IU/l、T-Bil 3.1mg/dlと黄疸を伴う急性肝障害を指摘された。ウイルス学的検索では、HCV抗体陽性(カットオフインデックス15.1)、HCV-RNA 7.0LogIU/ml、Genotype1bであり、HCVによる肝障害と考えられた。経過中にALT値は三峰性の上昇を認めた。IFN治療を希望されX年12月に当科へ紹介となった。【身体所見、検査成績】当科初診時に身体学的な異常所見は認めなかった。また、HCV抗体陽性(カットオフインデックス100.0)、HCV-RNA 7.4LogIU/ml、AFP 3.5ng/ml、PIVKA2 30mAU/mlであった。【経過】データの推移より本症例はX年6月ころ発症のC型急性肝炎と考えられた。当科初診時にはすでに急性肝発症から6カ月が経過していたため、C型慢性肝炎(A1F1、Genotype1b、高ウイルス量)としてPeg-IFNα2aとRBV併用療法を導入した。PIVKA2は、治療開始前上昇はなかったが、治療開始8週より上昇し、治療開始12週では603mAU/mlとなった。経過中数回にわたって腹部超音波検査を施行するも肝に明らかな占拠性病変は認めなかったため経過観察した。PIVKA2値は、40週までは300-400mAU/mlで経過するもその後は低下し、治療終了後には正常化した。ウイルス学的には治療開始8週にRNAの陰性化を認めた。好中球減少にてPeg-IFNα2aは減量・休薬を余儀なくされるも、ウイルス駆除が得られた。【考察】PIVKA2は肝細胞癌やワーファリン内服中などの時に高値を示すとされているが詳細は不明な点が多い。本症例では明らかな肝発癌を示す所見はなく、またワーファリン服薬歴もないことからPIVKA2が上昇した原因ははっきりしなかった。 |
索引用語 |
PIVKA2, インターフェロン |