セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 151:内視鏡的胆管ステント留置による総胆管結石の縮小効果の検討 |
演者 | 山田 航希(沖縄県立中部病院) |
共同演者 | 吉田 幸生(沖縄県立中部病院), 知念 健司(沖縄県立中部病院), 久保田 富秋(沖縄県立中部病院), 新城 雅行(沖縄県立中部病院), 島袋 容司樹(沖縄県立中部病院), 篠浦 丞(沖縄県立中部病院), 菊地 馨(沖縄県立中部病院) |
抄録 | 【背景】総胆管結石症例に対する胆管ステント留置は、従来結石による総胆管の閉塞を防止するための姑息的なものであり、胆管ステント留置それ自身による総胆管結石の縮小や消失効果を期待しての根本的治療法ではなかった. それ故、総胆管結石に対する胆管ステントの根本的治療効果に関する検討はいまだ十分ではない.【目的】胆管ステント留置による総胆管結石の結石径の縮小効果と結石数の変化を検討する.【方法】2003年1月から2007年12月までに当院で行われた全636例のERCPのうち総胆管結石治療のため胆管ステントを留置し後日ERCPを再施行した17例に関して、胆管ステント留置の前後での総胆管結石の長径、数、及びStone index(結石の長径×結石数、Horiuchiら)を比較し、統計学的検討(Paired t-test)を加えた.【結果】患者数は17人。男女比9:8、平均年齢70.9歳、使用したステントはCook社製ダブルピッグテールステント7Fr(12例)、5Fr(5例)で、うち4例が初回ステント留置後UDCA内服していた. ステント留置期間は平均62.5日(3-482日)であった. 胆管ステント留置前後で結石長径平均は9.4mmより7.0mm (P<0.01)、Stone index平均は15.6より12.9 (P=0.02)へと有意に縮小していた. 結石数平均は留置前1.6、留置後1.8 (P=0.27)であった. 以上より総胆管結石は胆管ステントの留置により縮小、断片化の傾向を認めた. なお、上記手技におけるVandervoortの定義に基づく術後合併症は一例も認めなかった.【結論】胆管ステント留置それ自身が、総胆管結石縮小に対する有効な治療の一助となりうる可能性が示唆された。ステント留置により結石が縮小する機序は未だ不明であるが、ステントと結石との機械的摩擦力や、ステントによる十二指腸液の総胆管内流入が原因の胆管内細菌叢による結石組成の変化などが原因として考えられた. |
索引用語 | 胆管ステント, 総胆管結石 |