| セッション情報 | 一般演題 |
|---|---|
| タイトル | 137：早期胃癌に合併した肝原発sarcomatoid carcinomaの1剖検例 |
| 演者 | 山本 充了（九州大学大学院病態機能内科学） |
| 共同演者 | 貫 陽一郎（九州大学大学院病態機能内科学）, 森山 智彦（九州大学大学院病態機能内科学）, 矢田 親一郎（九州大学大学院病態機能内科学）, 江崎 幹宏（九州大学大学院病態機能内科学）, 松本 主之（九州大学大学院病態機能内科学）, 藤田 恒平（九州大学大学院形態機能病理学）, 平橋 美奈子（九州大学大学院形態機能病理学）, 相島 慎一（九州大学大学院形態機能病理学） |
| 抄録 | 症例は75歳、男性。近医で健診目的で施行した上部消化管内視鏡検査で体下部小弯に早期癌を認めたため、精査加療目的で当科紹介となった。入院時の血液検査ではB型・C型肝炎ウイルス陰性で、腫瘍マーカーの上昇は認めなかったが、腹部エコーで肝S3に径1cmの辺縁低エコー、内部等エコーの腫瘍を認めた。造影CTで同病変はリング状造影効果を認めた。EOB-MRI肝細胞相ではEOBの取り込みは消失し、FDG-PETでは異常集積を示した。早期胃癌に対してESDを施行し、粘膜内に限局する高分化型腺癌であったため転移性肝腫瘍は否定的であった。肝腫瘍の組織学的診断目的で肝生検や手術を考慮したが、本人・家族が希望されず経過観察の方針となった。11ヵ月後のCTで同腫瘍は6cmと増大傾向を認め、その3ヶ月後に発熱・腹痛・倦怠感が出現したため当科入院となった。入院後のCTで肝腫瘍は急激な増大を認め、約15cm大となり肝左葉全体を占拠していた。FDG-PETでは肝内転移・腹腔内リンパ節転移・腹膜播種・肺転移・骨転移などの全身転移も認めた。全身状態も不良であり緩和ケアを行ったが、入院18日目に死亡退院となった。家族の同意を得られたため剖検を施行したところ、肝左葉全体に灰白色の充実性腫瘍を認め、組織学的に異型に富む紡錘形細胞が束状に密に増殖し、一部胆管様腺管構造を認めた。免疫染色ではAE1/AE3・CK7・CK18およびVimentinが陽性でありsarcomatoid carcinomaと診断した。肝原発sarcomatoid carcinomaは比較的稀であり若干の文献的考察を加えて報告する。 |
| 索引用語 | 肝腫瘍, 肉腫瘍肝癌 |