セッション情報 一般演題

タイトル 136:

大腸癌肝転移と鑑別が困難であった肝腫瘍の1切除例

演者 森戸 清人(佐賀大学 一般・消化器外科)
共同演者 三好 篤(佐賀大学 一般・消化器外科), 志田 雅明(佐賀大学 一般・消化器外科), 久保 洋(佐賀大学 一般・消化器外科), 隅 健次(佐賀大学 一般・消化器外科), 池田 貯(佐賀大学 一般・消化器外科), 井手 貴雄(佐賀大学 一般・消化器外科), 北原 賢二(佐賀大学 一般・消化器外科), 能城 浩和(佐賀大学 一般・消化器外科)
抄録 症例は55歳、女性。関節リュウマチ、強皮症で近医フォロー中に貧血の進行あり、下部消化管内視鏡検査を施行したところ上行結腸に5cmの1型病変を認め、生検の結果高分化腺癌と診断され当院を紹介受診された。精査の結果肝S8に28mmの不整な腫瘤を認めた。CTで同病変は早期より濃染され、後期相でも比較的濃染が持続し多血性病変の濃染パターンを呈していたが、MRIではT1WI でやや低信号、T2WIで高信号を呈し、拡散能強調画像でも高信号を呈し転移病変と考えられた。以上より上行結腸癌および同時性肝転移の診断で右結腸切除、肝S8亜区域切除を施行した。切除標本で肝S8の病変は白色で非常に硬い腫瘍であった。病理診断の結果、肝腫瘍は腺癌の成分が全く見られず、異型細胞がシート状に増生し、角化像が散見され扁平上皮癌と所見であった。大腸に関しては通常の高分化腺癌の所見であり、扁平上皮癌成分および扁平上皮への分化は見られず、肝腫瘍に関しては肝原発扁平上皮癌と診断された。腺癌病変を伴わない肝原発扁平上皮癌は極めて稀であり文献的考察を含め報告する。
索引用語 肝原発腫瘍, 扁平上皮癌