セッション情報 |
専修医発表(卒後3-5年)
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タイトル |
専53:若年女性の急性虫垂炎に対して単孔式腹腔鏡下手術(TANKO)によるinterval appendectomyが有効であった二例
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演者 |
田辺 寛(鹿児島共済会南風病院) |
共同演者 |
有留 邦明(鹿児島共済会南風病院), 馬場 研二(鹿児島共済会南風病院), 盛 真一郎(鹿児島共済会南風病院), 崎田 浩徳(鹿児島共済会南風病院), 中島 三郎(鹿児島共済会南風病院), 末永 豊邦(鹿児島共済会南風病院), 夏越 祥次(鹿児島大学大学院腫瘍制御学・消化器外科学) |
抄録 |
成人の急性虫垂炎は急性期に手術をすることが多い。そのため患者の術前評価が不十分であること、炎症が強く手技に難渋すること、時間を問わず緊急手術となってしまうことなどの弊害が生じる。急性期は保存的に治療し待機的に手術を施行するinterval appendectomyはそういった弊害を克服できる。今回われわれは若年女性の急性虫垂炎に対してinterval appendectomyを施行しかつ整容性の面から単孔式腹腔鏡手術(以下TANKO)にて施行しえた2例を経験したので報告する。症例1は34歳女性、下腹部痛を主訴に紹介受診。腹部造影CTで腫大した虫垂を認め急性虫垂炎と診断され、糞石や穿孔、膿瘍形成の所見は認めなかった。また腹膜刺激症状は強くなく保存的に治療し、待機的手術の方針とした。第5病日退院となった。5ヶ月後interval appendectomyを施行した。虫垂は炎症や癒着は軽度であり、TANKOで安全に手術し得た。手術時間は75分、出血量は少量。術後合併症は認めず術後4日目退院となった。症例2は39歳女性、同じく下腹部痛を主訴に紹介受診。腹部造影CTで腫大した虫垂を認め急性虫垂炎と診断され、所見、症状から保存的に治療し待機的手術の方針とした。第5病日退院となった。7ヶ月後interval appendectomyを施行した。虫垂の炎症や癒着は軽度であり、TANKOで安全に手術し得た。手術時間は65分、出血量は少量であった。術後合併症は認めず術後4日目退院となった。急性期を避けることで患者の術前評価が十分に行え、また炎症が落ち着いているためTANKOでの手術が十分可能であった。緊急手術を要さない急性虫垂炎症例に対しては、interval appendectomyにすることで整容性の優れたTANKOにて安全に施行可能であると考えられる。 |
索引用語 |
Interval appendectomy, TANKO |