セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年) |
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タイトル | 専24:ペグインターフェロン治療終了直後に好酸球性胃腸炎を発症したC型慢性肝炎の一例 |
演者 | 福永 篤志(福岡大学消化器内科) |
共同演者 | 阿南 章(福岡大学消化器内科), 冨岡 禎隆(福岡大学消化器内科), 久能 志津香(福岡大学消化器内科), 四本 かおる(福岡大学消化器内科), 櫻井 邦俊(福岡大学消化器内科), 岩下 英之(福岡大学消化器内科), 平野 玄竜(福岡大学消化器内科), 上田 秀一(福岡大学消化器内科), 森原 大輔(福岡大学消化器内科), 横山 圭二(福岡大学消化器内科), 西澤 新也(福岡大学消化器内科), 竹山 康章(福岡大学消化器内科), 坂本 雅晴(福岡大学消化器内科), 入江 真(福岡大学消化器内科), 岩田 郁(福岡大学消化器内科), 釈迦堂 敏(福岡大学消化器内科), 早田 哲郎(福岡大学消化器内科), 向坂 彰太郎(福岡大学消化器内科) |
抄録 | 症例は54歳男性。C型慢性肝炎(セロタイプ1型、HCVRNA 4.9 logIU/ml)に対して、2009年9月19日よりペグインターフェロンα2a(ペガシス)180μgの投与を開始した。2010年2月27日で24週間の投与を終了し、以後経過観察中であった。2010年4月下旬より食思不振を自覚。その後軟便、腹部膨満感が出現し徐々に増悪。1週間で3kgの体重増加を認めたため、5月15日腹部造影CT検査を施行したところ、著明な腹水と胃前庭部から幽門輪における著明な壁肥厚像を認めていた。腹水穿刺では細胞数5400、好酸球5130と著明な好酸球の増加を認めていた。末梢血中の好酸球の著明な増加(WBC 6000/μl、好酸球3108/μl)も認めており、精査目的で5月29日に当科に入院となった。外来より利尿剤を開始されており、入院時には腹水は既に消失し、腹部症状も軽減していた。入院後の上部内視鏡検査では幽門部粘膜の軽度の肥厚と十二指腸水平脚部の雛壁の軽度の浮腫を認めた。下部消化管内視鏡検査では下行結腸にアフタ様びらんが散在し直腸粘膜の一部粗造で血管透見像の低下が認められた。生検では十二指腸粘膜固有層に多数の好酸球の浸潤を認めた。血液検査では各種寄生虫抗体は陰性であったため、以上より好酸球性胃腸炎と診断した。ステロイドの投与は行わず外来で経過観察中であるが、症状の再燃は認めていない。これまでにインターフェロンによる好酸球性胃腸炎の報告があるため、本例もインターフェロンとの関連性が否定できないと考えられた。今回ペグインターフェロン治療終了直後に好酸球性胃腸炎を発症したC型慢性肝炎の一例を経験したので報告する。 |
索引用語 | ペグインターフェロン, 好酸球性胃腸炎 |