セッション情報 一般演題

タイトル 166:

門脈腫瘍塞栓を合併した膵内分泌腫瘍の一例

演者 馬場 崇徳(福岡大学筑紫病院)
共同演者 大塚 雄一郎(福岡大学筑紫病院), 川本 研一郎(福岡大学筑紫病院), 植木 敏晴(福岡大学筑紫病院), 野間 栄次郎(福岡大学筑紫病院), 光安 智子(福岡大学筑紫病院), 松井 敏幸(福岡大学筑紫病院), 金光 高雄(福岡大学筑紫病院), 田邉 寛(福岡大学筑紫病院), 岩下 明徳(福岡大学筑紫病院)
抄録 症例は40代女性。2010年6月、水溶性下痢を主訴に近医を受診。採血でAST 167U/L、ALT 239U/L、γ-GTP 572U/L、T-Bil 1.9mg/dLと肝胆道系酵素の著明な上昇を認め当科紹介となり、腹部超音波検査で肝内に多発する肝腫瘍を認めたため、精査目的に入院となった。入院時に施行した腹部のDynamic CTでは、腫瘍はhypervascularで、膵尾部にも肝腫瘍と同様の造影patternの腫瘍があり、脾静脈と門脈腫瘍塞栓を認めた。造影超音波検査でも、膵尾部の腫瘤は血管相で強く染影された。腫瘍マーカーはCEA 2.4ng/mL、CA19-9 26U/mL、AFP 17ng/mL、PIVKA-2 1360mAU/mLであった。PPI内服中のためガストリンは上昇していたが、他の内分泌ホルモンは全て陰性だった。経皮的膵腫瘍生検と経皮的肝腫瘍生検では低分化神経内分泌癌であった。以上より、肝転移を伴った悪性膵神経内分泌腫瘍と診断した。経過中に胆管閉塞に対してERBDを施行した。現在外来でGemzarとTS-1による化学療法を施行中である。門脈腫瘍塞栓を伴った膵神経内分泌腫瘍はまれであり、文献的考察を加えて報告する。
索引用語 膵内分泌腫瘍, 門脈腫瘍塞栓