セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 67:転移性精索腫瘍を契機に発見されたスキルス胃癌の1例 |
演者 | 北崎 真未(九州大学大学院病態機能内科学) |
共同演者 | 浅野 光一(九州大学大学院病態機能内科学), 森山 智彦(九州大学大学院病態機能内科学), 藤田 恒平(九州大学大学院形態機能病理学), 平橋 美奈子(九州大学大学院形態機能病理学), 松本 主之(九州大学大学院病態機能内科学) |
抄録 | 症例は67歳、男性。2009年11月頃から黒色便と混濁尿を自覚していた。2010年5月、急速な右陰嚢の腫大を自覚し、近医を受診したところ、CTで右精索腫瘤と両側水腎症を指摘され、5月28日に精査加療目的で当院泌尿器科に紹介入院となった。血液検査でCEA、CA19-9 が高値であったため、上部消化管内視鏡検査を施行し、胃噴門部から前庭部まで小弯側を中心に粘膜肥厚を認め、体下部から前庭部は全周性に狭窄していた。生検ではpoorly differentiated adenocarcinomaと診断され、右精索転移に伴うスキルス胃癌と診断した。CT、PET検査では胃結腸間膜、横行結腸間膜に結節や脂肪織混濁を認め、胃癌の腹膜播種と考えられた。また、右精索から両側陰嚢の皮下への浸潤も認めた。その他、頸椎・腰椎・仙骨にも転移を認め、MRI検査では全大脳に播種の所見を認めた。腰椎穿刺による髄液細胞診ではClassVの所見であり、癌性髄膜炎を併発していた。以上の所見から積極的な治療は行わず、pain controlと全脳、陰嚢に対する放射線緩和照射を行っていたが、徐々に意識レベルが低下し入院32日目に永眠された。 転移性精索腫瘍を契機に発見される胃癌は稀であり、医中誌での過去10年間の本邦報告例は10例に過ぎなかった。剖検を施行したため、病理組織結果と若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 胃癌, 精索転移 |