セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 143:Acoustic Radiation Force Impulse (ARFI) による新規無侵襲な肝線維化測定法の検討 |
演者 | 戸島 剛男(九州大学大学院 消化器・総合外科(第二外科)) |
共同演者 | 調 憲(九州大学大学院 消化器・総合外科(第二外科)), 武石 一樹(九州大学大学院 消化器・総合外科(第二外科)), 本村 貴志(九州大学大学院 消化器・総合外科(第二外科)), 間野 洋平(九州大学大学院 消化器・総合外科(第二外科)), 武藤 純(九州大学大学院 消化器・総合外科(第二外科)), 的野 る美(九州大学大学院 消化器・総合外科(第二外科)), 伊地知 秀樹(九州大学大学院 消化器・総合外科(第二外科)), 原田 昇(九州大学大学院 消化器・総合外科(第二外科)), 内山 秀昭(九州大学大学院 消化器・総合外科(第二外科)), 吉住 朋晴(九州大学大学院 消化器・総合外科(第二外科)), 武冨 紹信(九州大学大学院 消化器・総合外科(第二外科)), 前原 喜彦(九州大学大学院 消化器・総合外科(第二外科)) |
抄録 | 【背景及び目的】VirtualTouch Tissue Quantification (VTTQ) はAcoustic Radiation Force Impulse (ARFI) を用いた新しい無侵襲の臓器硬度測定法である。我々は,新規開発された超音波装置(Siemens, ACUSON S2000) を用い,肝線維化評価における有用性を検討した。特に、同一肝臓における左右VTTQの差異について検討した。 【対象】2008年12月から2009年6月に施行した肝切除術及び生体肝移植術の内、左右VTTQとの対比が可能であった103症例を対象とした(コントロールとしての健常者24症例を含む)。 【方法】VTTQの測定は、右葉(肋骨弓下)及び左葉(胸骨下縁)を各7回ずつ測定し、その中央値を評価した。また、血液検査における肝線維化の予測因子としては、APRI(AST/Plt ratio),ヒアルロン酸,コラーゲンIVの3種を検討した。各種検査における診断能は、AUROC(Area under ROC curve) 値及び最適カットオフ値における感度及び特異度を検討した。 【結果】肝線維化の組織分類は(Control/F0/F1/F2/F3/F4):(24/12/15/16/15/21) であった。右葉VTTQ (1.61±0.51 m/s)は左葉VTTQ(1.90±0.68 m/s)と比較して有意に低値であり(p<0.001)、標準偏差も有意に低値であった(右葉0.23±0.18 :左葉0.30±0.17 m/s、p<0.001)。また,肝線維化(F≧3) におけるそれぞれの検査(右葉VTTQ: 左葉VTTQ: APRI: ヒアルロン酸: コラーゲンIV) のAUROC値は,0.85: 0.76: 0.77: 0.65: 0.75であり,感度/特異度は0.78/0.84: 0.58/0.84: 0.69/0.72: 0.67/0.94: 0.60/0.71 と右葉VTTQ が優れていた。 【まとめ】新規無侵襲なARFI を用いた肝線維化の評価は有効な指標と成りうると考えられた。右葉のVTTQが標準偏差も少なく、感度・特異度に優れており、測定部位は右葉が適していると考えられた。 |
索引用語 | 肝線維化, VTTQ |