| セッション情報 | 一般演題 |
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| タイトル | 93:難治性潰瘍性大腸炎治療中に特発性縦隔気腫を来した1例 |
| 演者 | 岩佐 勉(九州大学病態制御内科学) |
| 共同演者 | 向井 康二(九州大学病態制御内科学), 牟田 和正(九州大学病態制御内科学), 井星 陽一郎(九州大学病態制御内科学), 村尾 寛之(九州大学病態制御内科学), 麻生 暁(九州大学病態制御内科学), 荻野 治栄(九州大学病態制御内科学), 秋穂 裕唯(九州大学病態制御内科学), 中村 和彦(九州大学病態制御内科学), 吉田 浩樹(九州労災病院消化器内科), 高柳 涼一(九州大学病態制御内科学) |
| 抄録 | 〔症例〕14歳、男性。〔主訴〕血便、下痢、腹痛、咽頭痛。〔既往歴〕特記事項なし。〔現病歴〕2009年4月に前医で全大腸炎型潰瘍性大腸炎と診断。メサラジン、プレドニゾロンにより治療され軽快傾向にあったが、同年7月に重症急性膵炎を来し当科へ紹介となり動注療法を行った。膵炎の原因としてメサラジンが考えられ中止とした。その際潰瘍性大腸炎に対してG-CAP療法を施行し一時的に症状は軽快していた。しかし10月下旬より腹痛、血便が出現し、前医入院。11月中旬より血小板数が徐々に低下、2万/μl前後となった。骨髄所見やPAIgG高値より特発性血小板減少性紫斑病が疑われプレドニゾロンを30→60mg/dayへと増量したところ、その4日後より前胸部圧迫感、嚥下時痛、咽頭痛を認めた。頚胸部CT検査を施行したところ、縦隔気腫、頚部皮下気腫を認め、加療目的に当科紹介入院となった。〔現症〕バイタル、呼吸状態は安定。軽度の咽頭痛、嚥下時痛あり。下腹部に自発痛、軽度圧痛あり。軽度の下腿浮腫あり。〔入院時血液検査所見〕白血球数 20880/μl、CRP 9.09mg/dlと炎症反応高値。Hb 11.6g/dlと軽度の貧血を認める。血小板数 2.3万/μlと低値。アルブミン 2.0g/dlと低値。PAIgG高値。〔経過〕プレドニゾロン増量後も症状の改善なく、難治性潰瘍性大腸炎と判断し、シクロスポリン持続静注による治療を開始とした。その後徐々に腹痛、血便は改善。縦隔気腫に関しては、症状軽度で呼吸状態に問題を認めないことから経過観察としたところ、咽頭痛は入院4日目には消失し、入院9日目に行った頚胸部CT検査で皮下気腫、縦隔気腫の消失を確認した。また血小板数は潰瘍性大腸炎の軽快とともに増加した。〔考察〕炎症性腸疾患に合併した特発性縦隔気腫の報告は本邦では数例を認めるのみであり、比較的稀と考えられる。今回われわれは、難治性潰瘍性大腸炎治療中に特発性縦隔気腫を来した1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。 |
| 索引用語 | 潰瘍性大腸炎, 特発性縦隔気腫 |