セッション情報 一般演題

タイトル 26:

播種性骨髄癌症を認めた食道癌の1例

演者 小倉 芳人(鹿児島厚生連病院)
共同演者 佐々木 健(鹿児島厚生連病院), 浦田 正和(鹿児島厚生連病院), 横枕 直哉(鹿児島厚生連病院), 西島 浩雄(鹿児島厚生連病院), 前之原 茂穂(鹿児島厚生連病院), 内倉 敬一郎(国立病院機構南九州病院), 前田 哲(国立病院機構南九州病院), 夏越 祥次(鹿児島大学腫瘍制御学消化器外科)
抄録 播種性骨髄癌症は血行性に癌細胞が骨髄にびまん性に浸潤したものと定義されている。その多くは胃癌あるいは低分化型腺癌である。今回我々は放射線化学療法の9年後に認められた食道癌に起因すると考えられた播種性骨髄癌症の1例を経験したので報告する。症例は69歳・男性。2000年10月嚥下困難を主訴に当院受診。上部内視鏡検査にて食道入口部より約7cmにわたりほぼ全周性の腫瘍が認められ、生検にて扁平上皮癌であった。リンパ節転移・遠隔転移は認められなかったが、切除には喉頭摘出が必要なことより頚部・縦隔の放射線療法64Gy及びlow dose 5-Fu+CDDP療法を2クール施行した。腫瘍は著明に縮小し生検にても陰性となった。2005年10月呼吸苦を主訴に他院受診。縦隔リンパ節再発が認められlow dose 5-Fu+CDDP療法を2クール施行した。縦隔リンパ節の縮小が認められ、その後は本人希望により外来にてTS-1を施行した。2008年12月までTS-1療法を施行し縦隔リンパ節については縮小状態が維持できたが、口内炎の増悪や全身倦怠感より本人の希望にて2009年1月より化学療法は中止とした。2009年10月定期採血検査にて白血球数2100・赤血球数214万・血小板数2.8万と低下が認められた。近医の血液内科を受診し骨髄穿刺を施行し癌細胞が認められ、PETにて全身骨髄に異常集積が認められたため播種性骨髄癌症と診断した。本人の希望にて化学療法・輸血は施行せずにBest Suppot Careを施行し、2010年2月死亡した。食道癌による骨髄癌症は比較的稀と考えられ、発見から9年後に発症したことも稀と思われたので報告する。
索引用語 食道癌, 播種性骨髄癌症